災厄を斬り、愛を育む。神話を越えて現代へ受け継がれた宿命を乗り越えろ!

かつて八岐大蛇を封印したスサノオの末裔である朝日奈家と十七夜月家には、稀にスサノオの力を受け継ぐ金の瞳を持った子供が生まれる。
神から与えられた力で封印された八岐大蛇を滅する宿命を負った両家の子どもたち。だが朝日奈家の千早は金の瞳を持つだけで何の力も顕現しない半端者。同じく金の瞳を持つ十七夜月家の伊吹に軽んじられ、虐げられる日々。
するべきことは生まれた瞬間から決められているのに何もできない自分を責める千早だったが、とうとう封印が解かれてしまった。宿命が動き出したその時、彼女の傍に寄り添ったのは、スサノオが振るっていた神剣、天羽々斬で――。


日本神話をモチーフにした現代ファンタジーです。馴染みのある名称や設定で、造詣が深くない私でも難なく没入することができました。

天羽々斬の付喪神、いろはさん。この銀髪イケメンに少女漫画を与えてはいけない。キュン製造マシーンとなって千早と読者を次々と砂糖漬けにしていきます。戦闘描写も多い作品ですが、女性でも抜群に楽しめる内容になっていますよ!

それと、同じ宿命を背負った千早と伊吹の対比もこの作品の軸になっていると個人的に思いました。自分で望んだ力ではないけれど、成すべきことに対しての向き合い方が違った二人が迎えた結末。優しいコントラストをぜひ見届けて頂きたいです。


付喪神と人間、交わるはずのなかったいろはと千早が起こした愛の奇跡。ぜひ、ご一読あれ!

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