【カクヨムコン10短編】だから僕は文学をやめた

タイトルとキャッチコピーからこちらの作品に出会い、拝読させて頂きました。

文芸部員である二人の青年の葛藤。

図書室の書庫を「秘密基地」と喩えるセンスに脱帽しつつ、高校生である主人公の心理描写（他者を羨む気持ちや、嫉妬に似た感情、卑屈になる気持ちなど）がより身近に、等身大に描かれていて、気がつけばラストまでノンストップで読んでいました。

この作品に描かれた、
決して輝かしいだけではない人間らしい青春時代の機微みたいなものや、学生時代の図書室が恋しくなるような、物静かだけど味わい深い世界観がとても好きです。

託す『彼』、それを受け止める『彼』。
二人が迎えたラストは胸に込み上げるものがあ…続きを読む

著者の凄まじい文才を感じた。
ラノベが主流のカクヨムにこれほど質の高い純文学が眠っていたとは……

2000文字前後の短編ではありますが、自然と時間をかけてじっくり読んでしまうと思います。
それくらい、小説という媒体の魅力が詰め込まれた作品です。

純文学です。

三度、一気に読み下しました。
「ひとこと紹介」以上のことを申し上げると野暮になります。
お勧めします。
素敵な作品をありがとうございました。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（330文字）