人間の光と闇。文学好きさんにお勧めの純文学です。

タイトルとキャッチコピーからこちらの作品に出会い、拝読させて頂きました。

文芸部員である二人の青年の葛藤。

図書室の書庫を「秘密基地」と喩えるセンスに脱帽しつつ、高校生である主人公の心理描写(他者を羨む気持ちや、嫉妬に似た感情、卑屈になる気持ちなど)がより身近に、等身大に描かれていて、気がつけばラストまでノンストップで読んでいました。

この作品に描かれた、
決して輝かしいだけではない人間らしい青春時代の機微みたいなものや、学生時代の図書室が恋しくなるような、物静かだけど味わい深い世界観がとても好きです。

託す『彼』、それを受け止める『彼』。
二人が迎えたラストは胸に込み上げるものがあり、味わい深い余韻に浸ることができました。

3000字以下の短編小説ですが、読み応えは抜群です。作者様の筆力が非常に高いので、紙で読みたい作品だなと思いました。

文学好きにはきっと響くであろう青春が凝縮された作品ですので、気になられた方はぜひ、お手に取られてみてください。

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