ホラー小説の醍醐味は、呪い、怨霊、曰くなど数多くありますが、やはり一番は「正体の明かされない不穏」なのではないかと思います。
もちろんスプラッタや明確な怨霊なども怖いのですが、読後に残る「なんだか分からない不穏」が怖い。
この作品は事象の説明も、それによる結果も提示されますが、最後に残るのは……
この度は素敵な物語をありがとうございます( ´ω` )

大型トラックで人を轢き殺す闇バイトのお話。
それで、数年前が「異世界転生」が流行ったのだなと理解できました。

トレンドを斜めからおさえたこんな作品が私は好きです。

ある意味、テンプレから発生した作品。
けれど、その着想が凄い。
転生からのトラックといえば、そうアレである。

その裏側には、こんな真実が隠されていた、と思うと面白く。
また、ゾッとする現実を叩きつけられる。

轢かれた方は無事に転生したのかは分からないが、轢いた側は？
安易にトラックを使ったネタは控えて、他の方法を考えてみるべきかな、と思いました。
トラックではないけれど、運転をする身としては。

着眼点に悩んだ時に読みたい作品だと思いました。

ラノベ界を蹂躙し続ける異世界転生もの。これだけ長きに渡り同じジャンルが流行り続けることに、諸君は疑問に思ったことはないだろうか。何かおかしい、どこかおかしい――と。

この度、物事を達観することに優れた著者がそのカラクリを解き明かし、この物語にしたためた。

流行の裏に隠された衝撃の事実に青天の霹靂が落ちること必至だ。

（この物語はフィクションです）

円城塔賞最終選考記念レビュー

世にはびこる異世界転生の全てに繋がるようなお話。

これを読まずして異世界転生は語れない！！
転生の仕組みを詳しく知りたい人、必読！！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（614文字）

『異世界転生』というキャッチャーなワードを逆手にとった、心理的にゾッとするホラー作品。描写や設定が妙に生々しくて、まず出だしから衝撃的でした！

報酬に目が眩んで請け負ったら最後、辞められなくなってしまう闇バイト。

主人公の現在や過去、様々な背景を辿りながら、闇バイトに堕ちてしまった彼にどういう結末が待っているんだろうと読み進めていくと、ラストは……。

読みやすさ、リアリティ、独特で引き込まれる世界観、真新しさ、発想力、ストーリー構成力、他人に薦めたくなる面白さ。

一万以下で手軽に読める本作品の中に、この作者さんの才能がこれでもかとギュッと詰まっているような気がします。

まだ読まれたことのない方は、是非、お手にとられてみてください！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（184文字）