チキン・ソーサリー if

反逆の点P

000 青春は熱をもたない

ある時夢を見た。

眩しい日差しに照らされながら、この町を見ていた。

雲一つない快晴…とはいかないが空はどこまでも青く続いている。

それなりに発展した町にはもう重機の姿は見当たらず、ただ人が揺れていた。

ぼくが何故ここにいるのかそれは僕にも検討がつかない。分かるのはここが近くの山の頂上であるということだけだ。とくべつ有名でもない山。山の中腹には神様が祀られているらしい。だがぼくはお詣りとかお願いとかそんなことをしにきたわけではないことを知っている。

隣には長髪の彼女がいた。時代錯誤なセーラー服の彼女が…

瑠璃色の手入れされた髪、冷たくもないし暖かくもない風が通るたびに彼女の髪は光に揺れ、その度に少し髪に手を添える素ぶりを見せていた。

頬は濡れている。ぼくはその涙の流れを止めることはできなかった。

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