それを縁と人は呼ぶ

己霊というものがある。それと縁を結ぶことで、己を確立させるものがある。
本来ならば混ざり合い溶け合うはずであったものは、別々に在ってしまった。ならばその状態を何と呼ぼうか。
選ばれた美しい言葉で綴られるのは苦界と、そしてそこで生きていく人々。
器と己霊との性が食い違ったことで、あるひとつの「結婚」は生まれた。

己霊とはなんだろうかと考える。
そして、彼らの在り方も。
分かり合うということは、現実においても難しい。「きっと分かり合える」というのは、お互いに分かり合おうとするからこそ生まれてくるものなのだろう。

己とは何か。
溶けず混ざり合わなかったものは、それでも分かり合ってあるひとつの縁の形をつくれるか。
ぜひご一読ください。

その他のおすすめレビュー

千崎 翔鶴さんの他のおすすめレビュー835