こころのひだをいちまいいちまい丁寧に舐め上げていく

なんというか、エロティシズム全開を予感させる作品なのですが、さらさらと読めてしまうのが不思議です。恋愛を楽しむ、妻子ありの男、イチ。天然な私(数か月後に他の男と結婚予定)はすっかり揺られ、揺さぶられ、溺れていきます。

感じるはずのない孤独を埋められるのはイチだけ、私はそう思いつつも、イチへの依存が自分を壊すものだとも感じています。

読み始めたときの予感は開花せずに終わってしまい、あら? となりましたが、それはヒニヨルさまの近況ノート(2023年12月18日)で理由が分かりました。

人生を刺激で飾り立てないほどには怠惰で、刺激的な小説のページを開くほどには欲深い。そんな人の書架を飾るのにもってこいの作品かもしれません。

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