概要
父・劉備の建てた国を滅ぼした劉禅は、本当に暗愚なのか?
三国時代の一角、蜀漢を建国した劉備の息子として後継者になり、後年に曹魏に降伏した劉禅。
『三国志』を題材とした作品では、「父の建てた国を滅ぼした愚かな息子」として描かれ続けている彼は、本当に暗愚なのか?
歴史界隈民には度々語られつづけている話ですが、改めてその議題を、雑語りエッセイではありますが、まとめなおしてみました。
異論は認め(ざるをえ)ない!
『三国志』を題材とした作品では、「父の建てた国を滅ぼした愚かな息子」として描かれ続けている彼は、本当に暗愚なのか?
歴史界隈民には度々語られつづけている話ですが、改めてその議題を、雑語りエッセイではありますが、まとめなおしてみました。
異論は認め(ざるをえ)ない!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!劉禅を語るという慧眼
たとえば社員数20人ぐらいの会社の社長が、部下に対して劉禅は悪くなかったという話をしたらどうだろうか。
部下の立場からすると派閥を解消しない宣言ととれるし、一生懸命に仕事をする気が失せるし、倒産後の振る舞いも考えなければいけないから転職の準備するし、給与の未払いも警戒しないといけないので資金繰りをこっそり監視しなければいけないしで辛いものがある。
社長が取引先の人間に話をしたらどうだろうか。取引先の人間はひょっとしたら内実が厳しいのかなぁと警戒して、場合によったら手形取引お断り、即金取引のみに切り替えるかもしれない。
社長が異業種交流で他の社長達にこういう話をしたらどうだろうか。望んで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!劉禅はなぜ叩かれるか
自分としてはここ、
すごくシンプルに考えている。
「期待の裏切り方がすごい」からだ。
ちょっと先の時代に、
同じレベルで叩かれる存在がいる。
晋の恵帝、司馬衷。
「米がなければ肉粥を食えばいいじゃない」
で有名なお方だ。
しかしこれも後世の創作臭い、と言われる。
両者の共通点は何か。
先代の掲げた理想を砕いた。
求められる「最良」に対し、
最悪「の結果」である。
もう一度いう。
結果、である。
歴史人物は、結果で評価されざるを得ない。
当然である。だがここにバイアスが生じる。
「結果が最悪なら、経過も最悪だろう」。
そしてこのバイアスは、
乗ったほうが、物語類型として美しい。
韓…続きを読む