第10話

 見つけたモンスターはキマイラのようなやつ。

 まだモンスターに見つかってなくて高坂が先に攻撃を始めた。手から出した糸で天井に張り付いて上から剣を振り下ろした。剣がキマイラの背中を斬り裂いたけど、致命傷にはなってなかった。

 上層レベルは70以上。高坂とレベルが近いかた攻撃は通りやすいけど、苦労はするはず。

 

「やあっ!!」


 高坂は襲い掛かってくるキマイラを蜘蛛の巣みたいにした。キマイラが糸に触れた途端キマイラが身動きが取れなくなったように見えた。

 あの糸には蜘蛛の糸みたいな粘着性がある? 蜘蛛の糸が能力? 室内戦では強いけど、屋外では弱いやつかな。糸を止める場所がなくなるし。

 糸に絡まってる間に高坂がキマイラの迫る。キマイラが火を吐いて糸を溶かしたけど、高坂が早かった。糸が溶けた瞬間キマイラの頭と胴体を真っ二つに分けた。

 完全に死んだキマイラは溶けて消えていった。


「やったよ律くん!」

「レベル確認する」

「む、褒めてくれてもいいじゃん!!」

「……これぐらいで褒める? まあ、動きはそんなに悪くないし能力の活用も上手い。お疲れ様」

「っ……ありがと!!!」


 俺が褒めたら高坂が頬を赤らめた。これぐらい普通の事だと思うんだけど。俺とこっちの人で感性変わった?

 まあいいか。ステータス確認っと……。


高坂秋 レベル68

体力 4000 魔力 3600

職業 学生 配信者

装備 剣  

能力 糸


 レベル上がってる。ゲームとか好きだから自分以外のレベルが上がる様を見るのは楽しい。レベルがどういう基準で上がるのか分からないけど、経験値とかそこらなのかな。ステータス能力がそういう表記ないから分からない。単純に経験で上がってるのか、力が強くなってるからなのか……、妥当は経験で上がってるだよなぁ。


「あ! 一個上がって!」

「うん。この調子なら75もすぐかな」

「よーし! 頑張るぞー! あ、律くん配信つけていい?」

「……まあ、いいよ」


 高坂がスマホを取り出して言った。まあ隠せる事は隠せるからいいかな……。

 配信準備を始めてる間にステータスを消す。ステータス能力が使える奴が他にいるとは思わないけど、一応。見られて変な事されたら面倒だし。

 

「準備出来たよ! 始めるよ!! 配信中は私の事、アキヨって呼んでね!」

「分かった」

「見えてるかな? やっほー! アキヨちゃんだよ! 同級生と一緒に白楽ダンジョンに来たよ!!」


:アキヨちゃぁぁん!!

:恩人くんだー!!


 配信が気になったので高坂のスマホを見る。コメントが右から左に流れていた、


「へえ、コメントが流れてる。面白い」

「でしょ! この子が私を助けた律くんです!」

「……よろしく……?」


:よろしくー!!

:アキヨちゃんを守れよぉ!?


「同行してるから守るけど」

「私のリスナー大体こうだから気にしないで。ほら、律くん! 次いこ次!」

「分かった、分かったから引っ張るな」


 高坂が俺のマントを引っ張る。伸びるからやめてほしい。

 俺は宙に浮く高坂のスマホの配信コメントを見る。手軽に出来るのいいな。

 そうしてる間に俺達は次のモンスターを視界に入れ、武器を手に取った。

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