ランキング1位の攻略者、元異世界を救った救世主
蒼本栗谷
一章 異世界帰りの律とダンジョン配信者の秋
第1話
「今日はどこまで潜ろうかな」
いつものようにダンジョンに潜る。
50年前、突如として現れた地下ダンジョン。それは至る所に出現し、更には人類に能力が付与され、世界を混乱に陥らせた……らしい。
正直詳しい事は知らない。1年前に異世界から戻ってきたら50年経ってたのがここに帰ってきてから知ったことだから。俺――
一応向こうの力は使えるらしく、日常生活はなんとかなってた。
戸籍がないから家を買えないからどうしようかと思っていたら、帰ってきた時に聞いたダンジョンの事を思い出した。
どうやら依頼を受けることによって金銭を受け取れる事を知って俺はすぐさま依頼を沢山受けた。
そうして実績を重ねてきた頃家を買えて安心できる場所を手に入れた。
「今日の気分はー……短剣かな」
異世界で手に入れた一つのステータスを開いてアイテムボックスから買った短剣を取り出す。
政府から武器屋があって、そこで色々売っていて便利。
短剣に強化魔法を掛けて殺意力を高める。
向こうで学んだ事は全部使える。魔法が使い放題というわけだ。
「本日の依頼は、アイスゴブリン。通常のゴブリンとは違って氷魔法を使うゴブリンの上位種……簡単だ」
目的の階層まで降りて短剣を構える。進んでいくと目的のアイスゴブリンを見つけた。
よし、ちゃちゃっと片付けるか。
「隙だらけだ」
『ギャ!?』
「楽勝」
狙いを定めて頭部に向かって投げつける。短剣は刺さるとアイスゴブリンは呆気なく死んだ。
そして溶けて消えた。
このシステムよく分からないけど、不快に感じなくて済むから地味に助かってたりする。向こうの影響で慣れてはいるが。
「これで依頼は達成」
ダンジョン専用スマホを見ると依頼達成と出ていた。
どういうシステムで依頼達成したとか分かるのだろ、最新型スマホは凄いな。
……それにしても今日は呆気ない。依頼に出るぐらいなんだからもう少しモンスター居ても可笑しくような……?
――もしかして。
「他に誰かがこの依頼を受けてた?」
それしか思いつかないけど、依頼は一人一個だからありえないはずなんだけど。
手を顎に当て考える。似たような依頼があったのかな?
手をぽんとしてそれが一番楽な考えだと思った。
報酬もらって帰ろ。新しいダンジョン追加されたらいいな、ここは難しいと言われる割に簡単だった。呆気ない。
「きゃー!!!」
「……悲鳴?」
転移魔法で帰ろうとしたら悲鳴が聞こえた。奥の通路から。
絶対面倒くさい気配しかしないけど、死なせたら死なせたで面倒くさい。
もう死んでるかもしれないけど一応確認しておくか。
短剣を持って、悲鳴のした方に向かった。
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