雪と凍土も溶かす運命の恋 傑作北欧ファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
主人公のアストリッドは、月の巫女によって守られた冬の国に住む女の子。
大事な月の巫女を守るために彼女は戦乙女となります。
というのもこの国の人口比、ちょっと変なんですね。男が少ない上に生まれたとしてもなかなか育たない。だから女性たちが国にとって大事なもののために武器をとる。
(結果的に年頃の女の子で異性と結婚を希望する場合は他国から連れ込む。この考え方、好き:笑)
そのアストリッドが一年前に雪原で助け出した2つ年下の少年ロキ。
彼がアストリッドの、そして月の巫女を巻き込んだ運命の環を回し始めます。
アストリッドとロキ。
互いに思いあうのに、互いのバックボーンや境遇ゆえになかなか感情がまじりあうことがありません。
そのじれもだにハラハラするのがこの物語の重要なポイントなのですが。
なにより登場人物がすべて素敵!!!
私はなによりアストリッド養両親であるレムとイヴァンのふたりが大好きです!
頼りがいがあり、いつでも娘をふところ深く招き入れるイヴァン。
娘をからかいつつも、大事なところではすぐに駆け付け、なにより「うちの娘になにすんねん」とばかりに牙をぎらつかせるレム。
このふたり、男性同士のかっぷるですが、ほんとよい。
(ちなみにこのふたりが主人公の物語もありますので、そちらもぜひお勧め)
私的には、この作者様の作品で「北欧ファンタジー」なるものに触れました。
冬の季節にばっちりおすすめです。
ぜひ、雪や氷も溶かすふたりの恋物語をお楽しみください。