概要
無実の罪の寄場がえりの新吉が獄門首になる前夜まで浮多郎は真犯人を追った
橋の向こうに、小役人が引く裸馬にまたがった白いさらしの屍衣を着た新吉が現れた。
そこで馬を降りた新吉は、手鎖に結んだ縄を小役人に引かれて泪橋を渡った。
刑を執行する三人の非人たちが続いて渡り、そのあとを槍を肩に武装した役人たちが続いた。
「新さん」
お絹が新吉の足元に崩れ落ちた。
新吉はお絹に微笑みかけ、浮多郎に深々と頭を下げた。
その時、思い川の土手の先から、土煙を巻き上げて早馬が駆けてきた。
(大団円)
朝霧の垂れこめた思い川の泪橋のたもとで、お絹は新吉が刑場にやって来るのを待った。
胸は張り裂け、泪は枯れ果てたお絹だが、今は新吉のやすらかな死を願うだけだった。
(その65)
与太が引く大八車は、宙を飛ぶような勢いで、関屋から千住、三ノ輪を経て浅草へ向かって疾駆した。
東洲斎の姿はと
そこで馬を降りた新吉は、手鎖に結んだ縄を小役人に引かれて泪橋を渡った。
刑を執行する三人の非人たちが続いて渡り、そのあとを槍を肩に武装した役人たちが続いた。
「新さん」
お絹が新吉の足元に崩れ落ちた。
新吉はお絹に微笑みかけ、浮多郎に深々と頭を下げた。
その時、思い川の土手の先から、土煙を巻き上げて早馬が駆けてきた。
(大団円)
朝霧の垂れこめた思い川の泪橋のたもとで、お絹は新吉が刑場にやって来るのを待った。
胸は張り裂け、泪は枯れ果てたお絹だが、今は新吉のやすらかな死を願うだけだった。
(その65)
与太が引く大八車は、宙を飛ぶような勢いで、関屋から千住、三ノ輪を経て浅草へ向かって疾駆した。
東洲斎の姿はと