国乱れて冥門開かれり

住んでいた村をあやかしに滅ぼされ、育ての親を失った少女・沙夜は、言い付けに従い、愛犬の玖狼とともに都を目指し、協力者を得て図らずも後宮で働くことになってしまった。
だが、後宮では、国難にもかかわらず崩御した帝の跡目争いが顕在化していたのだった。
この困難を沙夜と玖狼はどう乗り越えるのか――

主人公の沙夜は、壮絶な経験をした上に後宮でのいじめや事件に巻き込まれながらも、ほとんど変わらず、どこか泰然自若とした雰囲気すら纏っている少女であり、それが事件を解決する鍵にもなっていたようにも思える。
だからこそ、お相手の男性も意図せず引き寄せられたのだろう。
そんな沙夜とお相手の男性の周りでは、後宮の女性たちと皇城に住まう美しいあやかしたちが、妖しく蠢き物語を盛り上げる。
困難や嫌がらせにくじけない沙夜の活躍、都に張り巡らされた策謀と玖狼のモフモフを是非ご堪能下さい。

その他のおすすめレビュー

津多 時ロウさんの他のおすすめレビュー243