愛を渇望し、運命に呑み込まれた子供たちの物語

主人公キングの母は薬物中毒、父は日常的に暴力を振るう小児性愛者。
そんな家族が暮らしていたのは人身売買組織の息がかかった廃墟同然の集落。
それは少年の心に宿った人殺しの感情を正当化するには十分な環境だった。
やがて両親を殺害し、死神すら手玉に取ってその力を手に入れたキング。
彼なりの正義を、生き方を模索し始めるが、”運命”はカードを提示し続け、否が応にも世界の真実へと彼を呑み込んでいくのだった――

主要登場人物たちは、皆、不幸を抱えながら、何かを求め、さまよう。
その狂気、苦悩、悲しみ、暴力、虚無、或いは傷付き、倒れる様に顔を背けたくなることもあるだろう。
けれど、どうか目を背けずに彼・彼女たちを見届けて欲しい。
そうすればきっと、あなたの心には鐘の音が鳴り響くことだろう。
希望に満ちた平和の鐘が。

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