ダークな世界観と、圧倒的な筆致

物語は、美しい少年キングが死神の力を奪う所から始まります。
最初は、オムニバス形式。
ぞくぞくするような、恐ろしい事件の数々が描かれています。
そしてその数々の事件、出会った人物、場所……全てが次第に複雑に絡み合い、大きなうねりに飲み込まれていきます。

第二章以降は、更に深い闇が明らかになっていきます。
登場人物たちの生い立ちと、目的とは。
特別顧客とは? ブラックダイアモンドとは?

張られた伏線の数々と、背筋が凍るような残酷な世界観。
人身売買、洗脳、虐待……地獄のような世界で、キングは何を思い、何を為すのか。
読む人は選ぶのかもしれませんが、一度嵌ってしまえばもう抜け出せないような、中毒性のある作品。
恐ろしくても、目が離せなくなってしまいます。
続きはぜひご自身の目でお確かめ下さい。


(追記)
ラストは必見です!
詳細は言及を避けますが、私から言えるのはひと言。

――平和の鐘に幸あれ。

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