全てを失った少女に隠された秘密とは

 皇帝の崩御。護りの刀である国宝の紛失。
皇都での出来事により各地で『あやかし』による被害が勃発する。
 それらは主人公である沙夜(さよ)が住む村も例外ではない。

 貧しいながらも祖母とのかけがえのない暮らしは『あやかし』によって壊され、気付けば村が食い尽くされていた。
 押し寄せるどうしようもない絶望感に苦しみながらも、沙夜は祖母の言葉を思い出す。言われた場所を探すと、そこには『皇都へ行け』と書かれた紙が残されていた。
 
 肉親が残した言葉に従い、愛犬の玖狼(くろう)と共に沙夜は皇都を目指す。しかし、そこで待っていたのは――




 初めて和風ファンタジーに挑戦されたとありましたが情景描写も素敵で、会話文もシーンによって変えることで、時代背景を描きつつ読みやすいように、といった気遣いを感じました!

 個人的に好きだったのは、現代では一般的ではない言葉の後ろに()で簡単な説明が入っていたところです!偏見かも知れませんが、作者様がとても優しい方だと思いました!

 ストーリーも素晴らしく、予想を遥かに上回る展開に驚きつつ、「⁈……そういえば」と話を遡りさりげない伏線に感動していました!あの点と点が結びつく感覚は凄く楽しかったです!


 個性豊かなキャラクターたちが織りなす、和風ファンタジー。
是非ご堪能ください!

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