概要
まるでエサの誘惑に負けて、ゴキブリホイホイに入って行く虫のように。
世界は、人類という存在を急速に失いつつあった。自制と理性によって誘惑を振り切った人々も、壊れた社会で生きていくことが出来ずに、やがてその中に身を投じてしまう。
人間のほぼ居なくなったこの世界で、ある中年男性がひとりの少女と、そして少年と出会う。
末期世界に生きる者達が、人の居なくなった世界で何を見るのか、理想の生き方と言うのは何かというのを問う、謎と奇跡に満ちたファンタジーストーリー。
※本作はハ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!もし自分なら「ホイホイ」に入るか……考えたなら既に物語にハマった証拠!
人間の理想の欲望を映し出すウィンドウ「にんげんホイホイ」が全人類の前に……そして自分の目の前にも現れたら、しかもその中に飛び込むことが出来たなら?
たとえ「飛び込めば、もう帰ってこれない」と分かっていても……飛び込んでしまうのではないでしょうか。
際立って面白く考えさせられる設定、プロローグで見せつけられる様々な人々の「理想の世界」……まずはプロローグを、プロローグを読んでみてください。そこで惹き込まれたならば、あなたも物語に「ホイホイ」されるはず!
多くの人間が「ホイホイ」される中、現実世界を選んだ人々の巡り合わせ、繋いでいく絆と物語も非常に面白く、オススメです!
……えっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!面白い! 先が気になってしょうがない!
「人間ほいほい」あらゆる夢・欲望が無制限に叶う世界が、ある日あなたの隣に、ぱかっと口を開ける。
さ、カマ───ン♪
ほいほい。
ほいほい。
面白いほど、人間は、夢の世界に溺れたい欲求に勝てない。
それに勝てた、ガテン系おっさんの主人公。
生き残りを探して、旅にでる……。
ここは終末世界なのか。
生き残りは、少ない。
各地を巡っていく、秀逸なロードムービーであり、少年の成長物語であり、先の予想がつかない、はらはらドキドキの冒険ものでもあり、昨今の(WEB小説の?)流行「都合の良い夢がかなった〜」への痛烈な風刺でもあります。
そう、作者さまの、社会へ向ける目は、シビアです。
主人公が、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!黄金期の日本SFファンにはたまらない大傑作。
実は中学生の頃のワタシは日本SFにハマっておりました。当時は日本SFの黄金期と言っても過言ではなかったと思います。その当時の日本SFビッグ3と言えば、星新一、小松左京、筒井康隆の仲良し3人組。中学生の私ワタシもこの3人のSFを読みふけっておりました。
星新一の日常が非日常的になったとき個人は何を選ばせるか考えさせるショートショート。小松左京のきっちりと科学的考察を重ねた上での日本と言う国や世界人類の滅亡を描く長編SF。そして筒井康隆のSFの枠を超える狂気じみたナンセンス小説や実験的小説の数々。実に素晴らしい読書体験でした。
しかしながら、星新一のショートショートを最後にここ十年以上…続きを読む