概要
まるでエサの誘惑に負けて、ゴキブリホイホイに入って行く虫のように。
世界は、人類という存在を急速に失いつつあった。自制と理性によって誘惑を振り切った人々も、壊れた社会で生きていくことが出来ずに、やがてその中に身を投じてしまう。
人間のほぼ居なくなったこの世界で、ある中年男性がひとりの少女と、そして少年と出会う。
末期世界に生きる者達が、人の居なくなった世界で何を見るのか、理想の生き方と言うのは何かというのを問う、謎と奇跡に満ちたファンタジーストーリー。
※本作はハ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!欲望に消えた世界をゆく。ノスタルジックな終末ロードムービー
画面に映る自身の欲望に吸い込まれ、ほとんどの人間が消えてしまった世界。
そんな極限状況を舞台にした、主人公・椿山さんの奇妙で美しいロードムービーです。
極限状況における人間の逞しさや弱さが描かれていますが、物語は決して重くなり過ぎることはなく、どこかシュール。
さらに、随所に漂う地方のローカル感が、たまらないノスタルジーを感じさせてくれます。
巷に溢れるテンプレ的な作品とは明確に一線を画す、純粋な文芸作品として異彩を放つ意欲作です。
まだ前半のみの読了となりますが、
これから椿山さんの行く先々でどんな人間ドラマが紡がれていくのか、少し黄昏れた気分に浸りながらじっくりと味わいたい一作です。 - ★★★ Excellent!!!寄生獣冒頭の「地球」が遥かにスマートなやり方で掃討をはじめた世界で。
第一章を一気読みしました。
ほぼすべての人間が生活やインフラを置き去りにインナーワールドに消えていった世界で、ごくわずかな消え残りを探して日本全国を巡るアポカリプス・ロードムービー。
主人公が「にんげんホイホイ」と名付けたこの現象がなぜ起こったのか、どういう仕組みなのか、そして中に入ってしまった人々を戻すことができるのか。
完結作品ということなので、その辺りも含め、これからどう展開していくのか楽しみです。
読みやすく、速いテンポで進められますので、話数や文字数にこわがることなく最初のページを開いてみてください。 - ★★★ Excellent!!!SF初心者にもオススメしたい一作
「理想の世界が画面に映し出されて、取り込まれたら出て来られない」
設定の独自性、込められたメッセージ性とは対照的に、文体はあくまで淡々と、奇をてらったところがなく、読みやすい。
この飾り気のない真面目な語り口は、そのまま主人公のキャラクター性と重なってくる。
家族を含め、誰もいなくなってしまった世界にあってもなお、絶望に呑まれることなく、物語を共に歩むことができる。
それでも、寂しさは次第に膨らんでいって──主人公は空っぽの家に鍵をかけて、旅に出る。
旅立ちに必然を感じられる物語は、読んでいて心地が良い。普段はSFを読まない方にもオススメの一作。