ギリシャ神話の中でも有名なエピソード――パンドラの匣(ピトス)。ピトスの底にはエルピスが入っていたと言います。エルピスは予兆や兆しと言った意味で、良い意味で取ると希望、悪い意味でとると災の予兆となる――と言われています。よく、どちらなのかという論争を目にしますが。この作品で語られるエピソードは、どちらの意味でも通じるようなエピソードが多く、とても心に染み入ります。
前向きになれる日常ショートストーリー集。 タイトルの「パンドラの匣」は、日常に溢れかえった人間の悪意に置き換えられ、その中でのちょっとした希望を見出す喩えかと思います。 日常の描写にリアルさがあって、どのお話も「あるある」ってうなずけます。 主人公たちに同情して救いを求めたくなってきます。 明日への希望が持てずに憂鬱な日々を送る方へ。 幸せは案外、すぐそばにあるかもしれませんよ?
苦しいけど、自分ももう少し頑張ろう、そう思えるお話の数々。明日から、いえ今からもう少しだけ頑張ってみます。
きつかった。泣いた。一縷の希望もあった。素敵でした。
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