概要
自分の翼が段々と壊れていって、病室に舞う雪のような羽に囲まれながら――
人嫌いの天使は、ある冬の日、船香(ふねか)という少女と出会う――
*「カクヨム公式自主企画『百合小説』(文芸百合部門)」に寄せて書いた作品です。
*「カクヨム公式自主企画『百合小説』(文芸百合部門)」に寄せて書いた作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!天使はかつて女の子だった。女の子が見るは現実の中にある憧憬と葛藤で——
書簡体小説のような叙述的エッセンスを感じる短編作品。人嫌いの天使が世界を見下ろして綴られていく言葉は解放的でありながら、彼女自身の目線は卑下ており、窮屈で息が詰まる感覚を読み手に与えてくる。
船香との出会いまでの過程も丁寧で、存在を排除してしまった天使が自分の形に近い少女を俯瞰する事で、救いを知れたというストーリーラインが美しい。ありのままとは心地良くもあるが、噛み合わなければ重荷になるというカタルシスが文章によく出ています。
全体的に完成度は高い一方、理不尽のアクセントとなるいじめ描写は使い古しの域を出ないものでした。本作は天使といったファンタジー要素を含みますが、同性を好きになってし…続きを読む