耐性があっても耐えられないことはある
うおお!
痒い痒い痒い痒い!
アトピーをお持ちの方ならわかると思うんだけど、皮膚炎の痒みって独特ですよね?
皮膚の内側で、細くて長い虫が丸まった状態でいきなり暴れ出すような感覚というか……音で例えると「ぐじゅぐじゅるる!」みたいな感じで、発作的に突然猛烈な痒みが起こるんだわ。
しかし長年ひどいアトピーと付き合ってきた私、そういう時の肌に触れてはならぬと心得ている。その部分に触ってしまったら最後、痒みはさらに激しさを増し、皮膚がこそげ落ちるまで掻き毟ることは必至。
……実は中学まではカサブタで素肌が見えないほど、全身ズタボロだったんですよ。今は跡も消えて、数年に一度ピンポイントで起こるくらいだけどね。何故治ったかはいまだに不明なのである。
そんなわけで痒み耐性はそこそこあり、痒くても絶対に掻かない精神だけは身に付いている。
でも!
痒いもんは痒いんじゃーー!
痒い上に、あちこちがヒリヒリしやがる!
現在の顔面の状況。
目の下から顎にかけて、マスクの形に赤み。マスクで擦れやすかったノーズワイヤーのライン、頬骨から耳にかけてこめかみ部分、そして鼻のてっぺんと顎下にさらに赤い発疹が現れ、鼻横と頬周辺にコメドに似た白い小さなブツブツができている。
中でも特に痒いのは、赤い発疹。
こいつが本当にクセモノで、突発的にぐわっと痒みの発作が起こり、寝ていても飛び起きるレベル。そして痒くない時はチリチリとしてじっとしていても痛いというクセモノ・オブ・クセモノ。
どうにも我慢ならなくなった時に、私は一つの対処法を編み出した。
それは――――ティッシュでそっと痒みが起きている部分を押さえる! 以上!!
夜中に何度も跳ね起きることがあったが、ティッシュでそっプッシュすると少し落ち着く。もちろん、平面で優し〜く優し〜くね。
ちなみに就寝時は手指にアンテベートというステロイドを塗っているため、ナイトグローブを着用した上で行っている。脱ステロイドといっても私の場合は顔のみで、手足には問題ないようだ。手指用のステロイドは何があっても顔に付けるんじゃありません! と口酸っぱく注意は受けたけれども。
しかし、この発作のおかげで得たものもあった。それはとても寝付きが良くなったことと早起きになったこと。
痒み止めの作用で、めちゃくちゃ眠くなるんだ……車の運転はなるべく控えるようにと言われたが、私は免許も持ってないから無問題。
早起きになったのは、やっぱり顔の調子が気になるからよね。
ちゃっと起きて、戦の跡である数々のティッシュの残骸を捨てて手袋脱いで手をしっかり洗って、顔面の具合をチェックするのがある意味で楽しみになった。
昨日より少しは良くなっていますように。
明日は痛みも痒みもなくなりますように。
願いが叶ったのか、顔面から少しずつ赤みが消え、痒みも和らいでいった――かのように思えた。
だがこの地獄、そんなに簡単には終わらないのである!!
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