黒歴史模様のマスクマン爆誕

 酒さ様皮膚炎――幼い頃からアトピー持ちで皮膚科のお世話になりっぱなし、ステロイドは身近な存在だった私だが、初めて聞く名前だった。

 いつも優しく傷を癒やしてくれたステロイドが、こんな恐ろしき悪さするなんて。


 ステロイドを使い続けると良くないと噂で聞いてはいたくせに、具体的にどう良くないのかは知らなかったし知ろうともしなかった己が憎い。殴りたい。時を戻したい、トキだけに。くだらん、捨て置け。


 良くないってこういうこと……こういうことだったのかぁぁぁぁ……!


 正直、ずっと使ってきたものだからと軽視していた。自分は大丈夫と高を括っていた。誠にアホである。バーカバーカと罵り倒しておやりなさい!


 後悔先に立たず、後で悔やむと書くからこその後悔。さあ後悔した私よ、ここから地獄の始まりだよっ!


 病院で診察を受けた日の夜から、顔面はどんどん荒れ始めた。

 腫れた赤い皮膚のベースに、真紅の斑点のような吹き出物が出現。さらに小さな白いツブツブがあちこちに散りばめられ、どこが痒いか痛いかもわからない状態(。

 特にマスク荒れしやすく、念入りにロコイドを塗った場所は赤く熱く激しく荒れた。鼻上から両耳にかけて、両頬から顎まで、マスクの形がわかりやすくくっきり浮かび上がってきたではないか。


 おう……まさに黒歴史が柄になった、黒歴史模様のマスク!!


 しかし黒歴史マスクは、ここからさらに進化していく。より赤く、より柄が増え、熱く痒く痛く、己のやらかした愚かな行為の軌跡を誇示するように。


 このマスクは外したくても決して外せない。ずっと着け続けなくてはならない。


 ならばどうする?

 黒歴史マスクで少しでもマシに過ごせるよう方法を考えるしかないよね!


 そうと決めたら、何度も鏡を見て凹んでる場合ではない。


 見た目もやべーが、ますます増していく痒みの方が今は精神的ダメージがデカい。まずはこの痒みと折り合いをつける方法を探さねば!


 てなわけで私、痒みの海の中で必死にあがきます!!

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