　先週の先週の続きです。芸者の雛菊さんでしたが、今週の雛菊は犬の雛菊です。四国犬で、中型の日本犬です。血統証付き、オス親は全国優勝したので、当時10万円したそうでした。親父が贔屓の芸者の雛菊さんに、

「わしの娘が生まれてな」と云ったら、

雛菊さんは

「おめでとうございます。名前は付けたんですか？」

親父は

「雛菊や」

雛菊さんは、

「雛菊いうて、芸者のような名前でかまへんの？」

親父、

「犬や。雛菊を身請けするほどの甲斐性がないので、犬を飼うことにしたんや。血統証付やで」

雛菊さん、

「…………」

　親父は、雛菊さんに、さんざんに怒られたそうで、10万円の帯でやっと許してもらったそうです。10万円は、当時では100万円ぐらいの値打ちがありました。つまらん冗談云うたばかりにえらいことになったという話です。

　ちなみに、犬の名は「メリ」になりました。私の母が付けました。母も贔屓の芸者の名には怒っていたそうです。なお、「雛菊号」の名は血統証で登録済みだったので、どうしようもなかったという話です。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい