第14話 忘れ去られた記憶 part6

「後から殺してあげます。だから、今はそこで尊敬している、大好きな伯父様が殺されるのを指を咥えて

見ていてください」と耳打ちする。

 レティシアは彼女を睨みつけた。


「レティシアから離れなさい!」


レイモンドは攻撃魔法を放つが簡単に防がれた。

 

「まだ戦う力が残ってたんですね。

 体は限界に近いはずなのに凄いです!

 これならどうですか?」


イザベラは再び無数の鋭い氷を作り上げ、レイモンドに放った。氷は全て体に貫通し、レイモンドは地面に

倒れた。


レティシアは今使える魔力で周りの物を浮かせ、イザベラの方に一気に落とすも、当たる前に彼女の魔力によって全て塵と化した。


「無駄抵抗だって言ってるのにしつこいですね」

 呆れながら言った。

 

レティシアを見て呪文を唱えた。するとレティシアは

宙を浮いて、体は一直線に固まり、そのまま壁へと

張り付いた状態となった。両手足には氷でできていた枷で縛られていた。直接肌に当たる氷はとても冷たく、あっという間に彼女の肌を赤くさせた。


「もう大人しくして待ってください。焦らなくても

 後で時間かけてゆーっくりといたぶって殺しますか

 らね?」


「では邪魔者もいなくなったところで

 話の続きをしましょう!」


「 • • • • • 」


「レイモンド様、体の方は痺れていませんか?

 実はですね!今朝お出ししたお茶に毒を混ぜたんです!だから、私は何もしなくても、貴方は勝手に死にます。すぐに対処していたら大事には至らなかったんですけど、残念ながら今はもうすでに回ってるはずなので手遅れですね、」


「伯父様、お逃げください!」

 レティシアは必死に叫ぶ。


「いいですか?もし逃げたら彼女をもっと苦しみながら死にますよ?」


「伯父様、私の事でしたら心配いりません。

 だから、先にお逃げぐさい!」


「脅さなくとも逃げたりしない

 それに、、、彼等はもうすぐそこまで来ている」


レティシアの言葉を無視し、レイモンドは言う


無数の足音が近づき、国王軍等はイザベラを取り囲む。


「レティシア!?どうして王宮にいる?

 それに、、その怪我は一体誰にやられた!

 イザベラお前か!?」


傷つけられた娘を見て、込み上げてくる、怒りを

殺して彼女に問う


「閣下、動かないで下さい。でないとその程度の

 傷だけじゃ済みませんよ?」と脅す


父は拳を強く握りしめるしかなかった


「君と兄以外全員捕まった。

 娘を人質にして何が望みだ?」


イザベラは微笑む


「閣下、急かさないで下さい。

 存分に時間はありますからゆっくり

 お話しをしましょうね!?」


イザベラは視線を国王の方に向けた。


「お父様、反乱軍が押しかけた中

 無事で何よりです」と言い笑顔を見せた


「お前みたいな娘を持った覚えはない!」

 吐き捨てるように言う


「酷いです。フィリップ様の父君ではありませんか」


「あの子とそう言う関係だったとでも言いたいのか!?笑わせるな!どう見ても平民であろう?一介の平民が王族と恋仲を望むとは己惚れるでない!」

彼女冷たく言い放つ


「この先の話でしたよ。この反乱が成功に終わったら

 そうなるはずでした。でも、、もう、、叶いません

 彼の方は殺されて死んだのですから。」


 とイザベラは悲しそうにそう呟く


その言葉に対して国王は何も言わなかった。


「でもせっかくですから最後に答え合わせてをしましょう?」


「今更そんな事をして何になる?」

国王はイザベラに問う


「とても大事な事ですよ?

 王様が知っている事実と私が知っている事実は

 異なっている部分はあります。勿論、私が

 知っている事実が答えです。では此処まで

 至って経緯をお話しします。」













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