第5話 大事件発生???後編

    

 「に、逃げてなんかいないわよ . . . 」


  今度は無意識に後ろへと下がる。


 「はあ、、、」


  エリザベスはそれを見て、溜め息を吐き、

  手を振るった。

  

  すると、

  レティシアはその場で石のように固まった。


  レティシアは一瞬、

  何が起きたのかは分からなかった、、。

  が暫くしてはっとし、すぐ側まで

  近づいてきた妹に言う。


  「エリザベス、解いて」


  「嫌だ、、」

 

  「エリザベス!」


  「その名前で呼ばないで!!」と怒鳴った。

 

  レティシアは深い溜息を吐いた。

  今は口しか動けない、

  妹の力によって動きが封じられた。

 

 「エリー、解きなさい」


 「• • • • • • • • • • • 」

  返事はない

 

 その代わりエリザベスは動く、

 パチッと指を鳴らすと、瞬きする間に

 別邸にある妹のベッドに横たわっていた。

 エリザベスは姉の上を跨ぎ、

 無言で姉を見下ろすのだった。


 「エリー」


 「なんで、、、なんで、、、なんで、、、」

  独り言のように何度も繰り返し呟く。


 レティシアは固まった

 (嗚呼、、、これはマズイわね、、、、

 このままだと魔力が暴走しかねないわ、)

 

「そんなに • • • • •そんなにあたしと

 一緒なのは嫌??」


「い、嫌な訳ないでしょ!」

(はい、本当は嫌です、、、、、

とは口が裂けても言えない、、)


「じゃあ!どうしてよ!」と怒鳴る


(ど、どうしょう、

 このままだと締め殺されそうだわ)

  

「クラスに関わる事になるなんて

 知らなかったのよ、」


(こんな事になると知っていたら、

 絶対一位でも取ったわよ!)

 

「• • • • • • • • • • • 」


「本当よ?信じて?」


「• • • • • • • • • • • 」


「だから怒らないで、、ね?」


「じゃあ、、、違うところ行こう?」


「• • • • • • • • • • • 」


私の目が点となった.


「うん!そうだ!それが良い!ね?」


「じょ、冗談言わないで . . . . .」


「ううん、本気だよ?」


満面の笑顔で笑ってる、、、

目は、、、、、笑ってない、、、


(うん、、うん!うん!うん!!

 コイツ本気だわ、、)

そして、心の中で発狂した


「早速退学届け書かなきゃね!」

 とまたもや満面の笑顔言い放った


「ちょ、ちょっと、ちょっと待って!

エリー、とりあえず一旦落ち着きなさい、ね?

一緒に冷静に考えよう?そもそも簡単に退学

なんて出来るわけないでしょう!?」


「• • • • • • • • • • • 」


「そ、それにさぁ、、、クラスさ違うけど隣だよ?

 いつでも来れる距離ではないでしょうか?」

と気を遣いすぎて言葉遣いが変になる


「嫌だ、、、一緒じゃなきゃ駄目だよ、、、

 レティに近づく虫どもを追い払わなきゃなのに、」


「こら、、そんな事言わないの」


「だって、、本当の事だもの、」


「もう、困った子ね、」


 思わず苦笑する


「うーん、そうね、、、クラスは別々には

 なるけど、その代わり夜は一緒に寝てあげるわ。

 それで許してくれない?」


エリザベスは固まり、しばらくすると

考え込む仕草を取る


交渉内容はエリザベスにとって悪い話ではない。

姉は6歳まで一緒に寝てくれてたが7歳になった

途端、頑なに寝てくれなくった。

それを姉自ら提案する日が来るとは思わなかった。


ようやく、エリザベスは口を開いた


「ずっーと一緒に寝てくれる?」


「一年間だけよ」ときっぱり言う


やはり一人の方がいいらしい

エリザベスはそれを聞いて、

凹む、、


(一年間も 、、、良いかも、、クラスは別々

 になるのがとても嫌だけど、監視魔法を

使えばいいっか、音声魔法もあるしね)


とエリザベスの頭の中には色んな計画が

浮かび上がるのだった、、。

 

「わかった!一年間の約束だからね?」


「わかった、約束するわ」


「やった!嬉しい!レティ大好き!」

 

嬉しさのあまり、動けない姉を強く抱きしめた。 

 

「それでそろそろ解放してくれないかしら?」


「ふふふっ」と彼女は笑って、姉を見下ろす。


「エリー、解放しなさい」


「無防備だね、レティ」と言い、

 イタズラっぽく笑った。


「エリー、意地悪しないでちょうだい」


それでも解かれない。


エリザベスの手が動く、レティシアの頬に触れる

優しく撫でる、まるでサファイアのような

青い瞳がレティシアを眺める。


「レティ、今日も綺麗だよ」と囁く


目と目が合った


(本当に私と同じ目だわ。でも、好きじゃない、)


とレティシアは思った。


「ありがとう、、、エリー、、、

 いい加減にして、、そろそろ怒るわよ?」


「はーい」と言い、素直に姉から離れた。


そして、また指を鳴らし、姉を解放したのだった。












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