第3話 注目の的
これから、
姉妹揃ってリーテン魔法学園中等部一年生だ。
リーテン魔法学園はアルス王国の都に
建てられていて、
大昔からある学校で王宮より
先に建てられたと言われている。
学園内は至る所まで魔法でできている為、
学生以外の部外者の侵入はほぼ
不可能に近いとも言われている。
そのため、さまざまな理由で命が狙われている、
王族、貴族多数は我が子を守る為に入学させ、
一時期の避難場所として使われている
と言うまでもない。
勿論、それだけが理由ではない。
全国から最強魔導師達が集まっているからでもある。
この国では魔法の力が全てと言っても過言ではない。
それをより強化するために、
通う学生も少なくはない。
ただし、受けられる者は限られている、
入学試験を受ける者は必ず、魔法値が測られ、
基準を超えられなかった者は、
試験すら受ける資格が与えられないのだ。
それさえ超えれば、平民でも通う事を許されるのだ。
かと言って、所詮平民は平民。
貴族、王族には逆らってはいけない。
その為、受かる平民は数多くいるものの、
途中から辞退を強いられたり、
または自ら辞退する者も少なくもない。
勿論、
双子姉妹にとってはそんな試験は苦でもなかった。
寧ろ、あっさり受かって、
本当に大丈夫なのかと姉の方は心配だった。
この学校、大丈夫なのかと。
だが、二人のご両親もそこで魔法を学び、成長した。
二人、曰く何もかもが大変だったと、
特に入学試験、魔法値はある程度超えているものの、
学力テストの方では何度も落ちて、
やっとの思いでぎりぎりで受かったらしい。
それくらい難しいのだ。
(入学式までに間に合えばいくらでも試験可能である)
それくらい、双子姉妹は異常である。
(もちろん二人揃って無自覚です笑)
あれからレティシアは妹エリザベスの機嫌が
損なわないようにした。
しばらくしてから馬車が停まった。
扉の向こう側から執事ルーファスの声が響いた。
「レティシアお嬢様、エリザベスお嬢様、
到着致しました」
「分かったわ、ありがとう、 行くわよエリザベス」
「はい、お姉様」
馬車から降り、
周囲を見渡すと人だかりができていた。
恐らくは馬車に刻まれている
紋章に気づいたからである。
それもそのはず、
現在彼女達の父はこの国の大公を務めている、
とても偉いお方だ。それだけが理由ではなく、
姉妹揃って絶賛美女という
噂が全国知れ渡っているからでもある。
そんな娘達を大公は非常に溺愛しており、
おかげで娘達にはいまだに許嫁はいない、
という事にも有名だ。
そんな大公の愛娘二人が入学するとなると
当然の如く、注目の的なのだ。
レティシアは妹の手を握り、唇を耳に寄せ囁いた。
「エリー、行こう」
周りからしたらその光景でさえも美しく映るため
喜びの悲鳴が聞こえてくるのだった。
だが、双子姉妹はそれを気にせず
二人は手を繋いで教室に学園内に向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます