フランス革命暦と過ぎ去った友情

提示された小さな引っ掛かり。

ロベスピエールがそれを見逃してしまったのは、革命の日々に疲れ切っていたためでしょうか?
それとも、革命によって彼が変わってしまったからでしょうか?

カルノーはその字面と絵のどちらにより強く警鐘を感じたでしょうか?
それとも、過去への憧憬が危機感そのものを小さくしてしまったのでしょうか?

フーシェはそれを隠したかったでしょうか?
それとも、気づいてほしかったでしょうか?

手掛かりは一つのメモ。
かつて自由を夢見た三人は、時を経て変容したそれぞれの立場で、クーデターの日を待つことになります。
そのミステリーにどのように向き合うかが、運命を左右します。

結末のフーシェは、そのまま関連作品、『背徳を浴びる鳥のうた ~亡き王子のためのパヴァーヌ~』に心境が引き継がれていますので、ぜひそちらもご覧ください。
順番としては、できれば本作品『七月の七分七十七秒のゆくえ ~革命のエチュードを、きみに~』をあとに読まれることをお勧めしたいです。