忘れえぬ旅路の、さいしょの一歩。

軽い印象のタイトル。
ふわっとしたコメディかな、と、あらすじも読まずに臨んで、驚きました。

映画のイントロのような、くっきりした情景。
吹雪によってよけいなものがかき消されて。
しずかで妖しく、美しく。

説明口調でもなく、会話だけでも、モノローグだけでもなく。
夢のようにうつくしい描写で世界が立ち上がります。
しろい風景のなかに、おとをたてるように、ドラマチックに。

ちょっと震えました。
すげえ、というのが、すなおな感想。

長編化の前提とのことですが、本編が、ほんとうに楽しみです。

ぜったい、忘れられない旅路になる。