第18話

 何かと思って、後ろを見た。

 いや、正確には足の付け根を見るが……。


 そこには、ツギハギだらけの顔をした女性が俺の足にしがみついていた。

 力を入れて、足を女性の腕から引き抜こうとしたが、物凄い力だった。まるで、大男の力で掴まれているかのようだった。なんとか日台たちと三人がかりで女性の腕を引き剥がすと、女性は川の下流へと流されていった。


「な……なんだ? あの人?」

 肩で息をしている日台は、顔面蒼白だった。

「俺の目が確かなら、ありゃ男だったぞ」

「ええ。ぼくもそう思ういます。男の人でした……。でも、確かに胸があったんです。女性の胸が……」


 俺は川の下流を眺め。

 ようやく言った。


「二人とも助かったよ。ありがとう」

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