第7話
案の定。
雨がしとしとと降っきた。
この村は、1984年に最後の子連れの親子が下山してから廃村になった。廃村はボロボロになっていて人がいないだけで昔のままだった。
「懐かしいなあ。これくらいなら、まだまだ人が住めそうだ。あそこに駄菓子屋がある。昔、よくラムネを買ったんだ。あ、あの寂れた神社も子供の頃に行ったなあ。
俺が懐かしさで歓喜していると、後ろでは鈴木と日台は打ち合わせを始めていた。恐らくどうせならここを取材しようという魂胆だろう。
さすがに電車は一本も来ないが、駅もある。
雨が本降りになると下山できないので、もう戻ろうかと思った頃。
「ふーん。そうですか。それなら電話してもいいでしょう。観光スポットもいいですが、たまには意外性もあってもいいんじゃないですか、廃村スポットの配信もいいと思いますね」
鈴木が日台と商談をしていた。
二人共商魂たくましい。
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