第12話
何故だろう?
俺には弘子が悲しんでいるように思えた。
そうだ。
きっと、悲しいんだろうな。
何故ならツギハギだらけの顔の目から赤い液体がだらだらと流れていたからだ。
フロントガラスを赤く塗り潰した液体は、弘子の血涙だった。
数時間?
いや、実際には数分くらい経ったのだろう。
しばらくすると、弘子の顔はどこかへと行ってしまった。
「うわー……。なんだあの顔。あ、あの人? お前の知り合いなのか?」
「そうですよね。この村に住んでいたんなら、お知り合いの方だったのですよね?」
日台と鈴木が俺の表情を窺いながら聞いて来た。
「ああ……でも、この村の人じゃないんだ。昔の大学時代の元恋人さ……」
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