第17話

 それにしても息が苦しかった。

 胸が締め付けられる感じだ。

 俺は息継ぎをした。


「後ろだーー! 早く来い!!」

「後ろ! 後ろ! 早くこっちへ!!」


 俺は日台たちが何を言っているのか一瞬理解できなかった。

 ぞくり。

 として。

 後ろを振り向かずに全力で日台たちのいる岸へと泳いだ。


 水の抵抗以外にも何かがまとわりついているのか、体がざわざわして重く感じる。


 水中で冷や汗が湧き出る。


 何か糸のようなものが足に絡まってきたが、俺は岸へと手をついた。


「早く! 手遅れになるぞ!!」

「海道さん!!」


 俺は二人に引き上げられた。

 

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