第10話
「どうする? どうする? どうする?」
日台はハンドルを握る手に力を入れて独り言のように呟いた。
俺も鈴木も軽自動車の中へと入る。三人でブルブル震えていると、俺だけは軽いノスタルジーが残っていた。
「もう仕方ないです。このままここで続きをしましょう。その方が金になるんでしょ」
「お前なあ。そんなこと言ってもなあ。きっと本物だぞ。本物」
「……ええ……それしかないようですね。ぼくは腹をくくりました」
「おい。何言っているんだよ」
日台が俺のだした案と賛同する鈴木を交互に睨む。
「だって、もう夜ですよ……」
鈴木の一言で、俺たちは暗闇の中に取り残されることに気が付いた。
辺りは、正確には蛇白村は、暗闇が支配していた。
「えー、もうこんな時間かよ!」
日台が腕時計を見ると、そのまま腕時計を外へと力任せに投げ捨てた。
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