第3話 あなたはだあれ?

 おしゃれなテラスからの陽光で、日台にったの顔が輝いていた。日台は俺の東京での友人の一人だ。頼んだエスプレッソを美味しそうに飲んでいた。

 

「面白いじゃないか! 行ってみようよ」

 

 二つ返事でOKがでた。商売柄取り分けてこういう話は好きだったのだろう。だから、真っ先に聞いてみたのだ。日台はフリーの心霊写真ライターをしている。


「蛇白村かー。当然だが一度も聞いたことがないな」

「ああ、そうだろうね。俺の生まれ故郷だけれど、人口が200人くらいしかいなかったからな」

「ふーん。それで今じゃ廃村かあ」


 日台がタバコに火を点けた。 


「うーん。確かに誰かの悪戯でもなさそうだね。ほら、この手紙の紙……パロンケントだよ。多分、1980年代のバブル期に買ったんだろうな。パロンケントは高級な原料から作られているんだよ。君の少年時代が1980年代だから、丁度その時はバブル期なんだねえ」

「ふーん……知らなかったな。俺の村でそんな高そうな紙使う奴が?」

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