概要
「僕はもらえるものは全て欲しいんだ」
日本に四十三県あるうちの特に目立たぬ一県の中に、まにまに王國は、ある。
まにまに王國王族は、代々女性しか生まれぬと云う典型的な女系一族で、國の頂点に男王の立った例がないと云われていた。
この王國には、ひとつの爲來りがある。
それ即ち、「次期女王となる皇太子は、年女となった年に、迎える婿を決定すべく〈お見合い〉を執り行なう」と云うもの。それも、ただの見合いではない。皇太子様の婿になりたいと志願したものが集められて、その中から御婿様が選ばれると云う代物。
この一風変わった爲來り。実は、ある特殊な事情に基づいていた。
まにまに王國王族は、代々女性しか生まれぬと云う典型的な女系一族で、國の頂点に男王の立った例がないと云われていた。
この王國には、ひとつの爲來りがある。
それ即ち、「次期女王となる皇太子は、年女となった年に、迎える婿を決定すべく〈お見合い〉を執り行なう」と云うもの。それも、ただの見合いではない。皇太子様の婿になりたいと志願したものが集められて、その中から御婿様が選ばれると云う代物。
この一風変わった爲來り。実は、ある特殊な事情に基づいていた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!運命の半身を求めて。国をあげてのお見合い開始です!
すこし不思議な雰囲気で始まる今作品。固有名詞などが独特だったりもして、慣れるまでとっつき難さはあるかもしれません。だけど心配は無用。すぐにそれがクセになっちゃいますし。そうですね、ひとまず5話目(「4.『火鼠の間』と少年」)まで読んでみてください。わたしの最推し「うつぼ君」が登場します。そして彼が物語をまろやかに動かし始めてくれて、するっと世界に入り込んで止められなくなっちゃうはず。
『魂音族』と呼ばれる一族がいる。輪廻転生した魂は半身と呼ぶべき魂と対になっており、何度生まれ変わってもその半身と結ばれる。この設定がわたしにぶっ刺さりまくりまして、そして物語の肝になってくるところでもあり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!そのままに、あるがままに、まにまに
まにまに王國という場所がある。その王族は少しばかりかわった「しきたり」があるのだ。
そしてこの物語はその「しきたり」――お見合いに人が集うところから始まっていく。
さて、この集った人々、それぞれになにか思惑があるようで……?
まにまに王國とは何か。
そしてある「族(うから)」にまつわること。
徐々に明かされていくそれらはやがて、今回のお見合いに集った人々の思惑を浮き彫りにする。
それが運命だと定められたときに、人はその運命をどう思うのだろう。
もらえるものはすべて欲しい。この一見強欲にも見える言葉は、あるひとつの答えでもある。
そして、最後にはこの物語のタイトルの意味も知るだろう。
ぜひ…続きを読む