第4話 大学生編
今年も桜の季節がやってきた。
晴れて大学生になった私は人の多い東京の町で一人立ち尽くす。
『・・・ここ・・・どこ?』
スマホの地図を見ながらその場でグルグルする。
上京するならと父が買い与えてくれたスマートフォン
正直今まではいらないだろうと思って持ってなかった。
周りの友達からは「なんで持たないの?」とは言われたが『必要ないから』と
それだけの理由だった。
もっと前から触ってれば・・・。と今になって後悔する。
そんな事を考えながら『あーでもない、こーでもない』と
一人スマホと格闘していたら同い年くらいの女の子に声をかけられた。
「あの・・・、よければ道案内しましょうか・・・?」
困っているのをみかけて声をかけてくれたようだった。
『助かります!!これから大学の入学式なんですが、東京出てきたばかりで道がわからなくて・・・!』
大学の名前を言うと、なんとその子も同じ大学であることが発覚。
一緒にキャンパスへ向かうこととなった。
『まさか同じ音大で同い年だったなんてね〜!
あ、私は東雲 凛(しののめ りん)!凛て呼んで!よろしくね!』
「私は斎藤 彩奏(さいとう あやか)!あやでいいよ!よろしくね!」
こうして東京に来て初めての友達が出来た。
『あやはこっちの出身なのか~、私田舎育ちだからこっちの地理に疎くて(笑)』
「東京って言っても郊外の方だから全然都会感ないよ~?(笑)」
『東京ってのがすごいの!今度あやが住んでるとこ案内してよ!』
「今度ね。今は入学式に行かないとだから(笑)」
『そうだね(笑)』
二人で話しながら歩いていたらいつの間にか大学の近くまで来ていたようだ。
「もう着くよ~!ここが私たちがこれから通うキャンパスだよ!」
『わ~!人がいっぱい!!』
「そりゃ、入学式ですから(笑)」
校内を散策していると「新入生は体育館に集合するように」とアナウンスが入った
『そういえば、あやって得意楽器なに?』
「私はピアノだよ~」
『絶対似合う✨』
「凛は?」
『私は基本弾けないものはないけど、これっていうならギターかな。』
「全部!?すごいね!」
『高校で吹奏楽やってた影響かな。』
「そういうことか~」
体育館へ向かう道すがらそんな事を話し合っていた。
席は特に決まって無いようだったので隣同士座る。
そして入学式が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます