第10話
ーある日の放課後の出来事ー
『…ここは、こうじゃない?』
「なるほど!そういう解釈もあるのか!」
いつもの様にサークル活動に勤しんでいた。
…ガチャ
「皆ー!これ、受けてみなーい??」
みこりんが上機嫌で部室の扉を開けながら呼びかける。
「みこりんだー。嬉しそうですね〜。」
「…うるさい。」
「ごめんごめん!ちょっとテンション上がっちゃって♪」
「それより、それはどうしたんだ?」
「そうそう、これね知り合いが経営してるライブハウスで今度イベントがあるらしくて、
大学でバンド組んでるんだって言ったら出場枠が余ってるから試しに出てみないかって
言われたのー!」
「ライブハウス✨✨」
「…ほう。面白そうだな。」
「でしょでしょ〜!新人でも参加可能って感じみたいで、アマチュアバンドとかが
出場するみたい!」
「なるほどな。」
あのバンドでるんだー!とか開催場所などの話で盛り上がっていると
『あの〜、皆さん盛り上がってる中申し訳ないのですが、
その…らいぶはうす?ってなんですか?』
「「えええええええーー!!!?」」
「え、嘘だよね!?りんりんライブハウス知らないとか嘘だよね!?」
「音楽やっててライブハウス知らないとか嘘でしょ!?どんな世界線で生きてたのよ!?」
「正直驚きだ。」
『えっと…実はずっと吹奏楽をやってて、コンサートとかは出たことあるから
知ってるけど、楽器とかは独学で1人でやってたからバンドとかもあまり詳しくなくて、
スマホを使い始めたのも上京してからだから・・・あはは💦』
「だからか・・・スマホの操作とか、なんか当たり前のこと聞いてくるな~
とは思ってたんだけど使ったことなかったのか。納得。」
「ってことはライブとかそういうのも見たことない的な?」
『実はライブには小さいときに一度だけ連れて行ってもらったことがあって。父の友達が
バックダンサーをしているとかで、チケットを譲ってもらい当時小学生とかだったから
ライブの中身はあまり覚えてないけど、その時聴いた歌声がとても綺麗で。こんな美しく
歌う人もいるんだなと。音楽の虜になりました!それから私も楽器を触り
始めた感じですかねー!』
「ちなみにそのライブって誰のライブだったの?」
『世界の歌姫ミラだよ!いつか同じ舞台に立ってみたいな~♪』
「思い出話はまた今度じっくり聞くとして、ライブハウスってのはな…」
無知な凛に皆でライブハウスとはを教える
『なるほど〜、アマチュアでも参加出来るんだね〜。今回はここで開催されるライブに出れるってこと?』
「そういうこと〜♪」
「いいですね〜!それにしてもみこりんにそんな知り合い居たなんて初耳ですよ〜!」
「あれ?言ってなかったっけ?俺の両親芸能界だと結構有名な人なのよ?
母さんが芸能事務所の社長やってて北見 静香(きたみ しずか)って知らない?
父さんは音楽プロデューサーの相澤 悠作(あいざわ ゆうさく)。
だから音楽関係の知り合い多いのよ〜。」
『「は!?」』
『北見 静香ってあの伝説のライブの北見静香!?
21年前に突如として芸能界引退したっていう…。』
「相澤 悠作って言ったら海外バンドのPV制作から日本の超有名映画まで
手がけてるって言うあの!?」
「そういえば、そんな感じだったか。」
『葵さん知ってたんですか!?』
「まぁ、一応。」
「嘘でしょ…みこりんがあの悠作の息子だなんて…。」
『確かに苗字は一緒…。』
「たまげた・・・。」
「まっ、そんなの気にしないで今まで通り接してよね〜♪」
「まっ、みこりんはみこりんだもんね〜!」
あやの切り替えの速さは見習いたいレベルだ。
『それで、ライブでは何曲くらい披露するものなんですか?』
「今回のは他の出場者もいる事だから2〜3曲で、
1曲は必ずオリジナル曲を用意するようにって言われてるよ♪」
『オリジナル曲…私たち自分たちの曲なんて持ってないですよね?どうするんですか?』
「書くしかないだろ。」
『でも誰が…』
「私は作曲した事ないでーす。」
「俺は苦手だからパース。」
「俺は自分でもよく書いてる。凛お前は?」
『私は趣味程度ですけど…。』
「なら俺の凛で書くしかないな。」
『でも人様に聞かせるようにものなんて…!』
「お前なら大丈夫だ。」
「私、凛の書いた曲歌ってみたーい!」
「大丈夫だってーあおちゃんが一緒にやってくれるからさっ♪」
「もちろんだ。」
『そういうことでしたら…葵さん!ご教授よろしくお願いします!』
「フッ…そう固くなるな。」
「「『笑った!!』」」
「葵が笑うなんて珍しい物をみれたや。」
「俺をなんだと思ってる。」
「鉄仮面」
「音楽ロボ」
『えーっと…笑』
感情表現が豊かな方ではない、葵の笑顔に驚くも、巳琴の冗談に続き彩奏も冗談をいうと笑いが起こる。
それから今後のことについて話し合うことになったのだ。
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