MAIN STORY 2 天才と女優のHR side雄太
渚=
樹=
蓮=
栞=
冴=
陽=
楓=
夏=
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
入学式の翌日。8時ちょっと前。
俺は1-Aの教室にいた。
今日はクラスメイトや担任と顔合わせする日だ。
1-Aは40人クラスで、現在名前がわかっているクラスメイトは4人。
彼女の湊川桜、友人の日向菫と九条優斗。そして、昨日知り合った神宮寺瀧雅君。
出席番号は、順に33番、32番、12番、そして14番。
因みに俺は13番なので、優斗→俺→瀧雅君の順で並んでいる。
そして、席は5席が8列・・・そう5×8列なのである。
40人クラス場合、教室のサイズの関係で両端が6席、真ん中4列が7席の計6列という形になるのがほとんどだ。
だが、
だから8列席でも余裕。むしろ中学の時の六列より間隔が広いまである。
机もデスクワーク用の金属製で、天板も広いし何ならサブテーブルもある。
椅子もクッションがあるデスクチェアである。
しかも、一人一つでっかいロッカーがある。
・・・なんだここ。学校?うそぉ・・・
こんなとこにこんな金かけていいのか?
てかヤバすぎだろヤバい。マジでヤバい。ヤバすぎてヤバいしか言葉が出てこない。
雄「・・・やばいな。」
マジで語彙力なくなる。それくらいすごい。
・・・あ、ヤバい以外も出てきた。
俺が戦々恐々としている間、他三人はというと・・・
桜「おお~、収納がいっぱいだ~!」
優「・・・ここを引き出すとサブテーブルになるのか。これは便利だな」
桜「椅子も座り心地いい~~。」
菫「ほんとかい?・・・うわぁ、ほんとだ。いいね、これ。」
しっかりいつも通りだった。
・・・なんで?なんで、いつも通りでいられるの?
桜ちゃんがかわいいからいいだろって?
確かにかわいいけども・・・じゃなくて!
桜「雄くん、そんな緊張しなくていいよ?」
菫「そんなにおびえなくていいよ、雄太君。」
いやまあそうなんだけどさ。庶民からすると、ね?
雄「と、言われてもなぁ。」
優「・・・学費関係とかで?」
そうなんだよなあ。学費そんな払っていないはずなのに大丈夫かなって思うし、それ以前にこんな環境で授業を受けるのなんて慣れてないし。
すると、後ろから
瀧「雄太さんが緊張するのは仕方ないでしょう。」
と、瀧雅君が擁護してくれた。
優「そうなのですか?」
瀧「はい。あ、あと敬語はやめてください。」
優「あ、はい。わかりまし・・・わかったよ。」
瀧「お二人もやめてください。」
桜「は、はい。じゃなくて・・・うん。」
菫「わかった。これでいいかな?」
瀧「はい。ありがとうございます。」
・・・そういいつつ、たっきーは敬語だな。
雄「たっきーは敬語やめないのか?」
優・桜・菫「っ!!?」
瀧「!・・・あ、はい。いえ、癖になっているので。」
雄「そっか。わかった。」
なら仕方ないか。
無理にやめさせることでもねえし。
ん?なんで桜ちゃんたちが『信じられない』って顔でこっち見てるんだ?
雄「・・・どした?」
菫「どした?じゃないよ雄太君!神宮寺君あだ名で呼んでるのか!?」
雄「うん。」
菫「なんでだ!?」
雄「許可もらったから。」
菫「・・・え?そうなのかい?」
雄「ああ。」
瀧「はい。」
菫「なら・・・いいのかな?」
瀧「構いませんよ。」
菫「・・・そうか。」
流石に俺でも許可とらずにいきなりあだ名呼びはしねえよ。
ほかの二人はそれがわかっているのか、突っ込んでこなかったし。
桜「まあ、雄くんが許可もとらずに呼ぶことはないとは思うけど・・・でも、いつ貰ったの?昨日ってそのまま帰ったよね?」
雄「ああ。だから帰ってからRINEで聞いた。」
優・桜・菫「っ!!?」
瀧「いきなり聞かれましたね。」
雄「確かに急すぎた。ごめんな。」
瀧「いえいえ。お気になさらず。」
優「え!?いつ!?そんな時間あったっけ!?」
雄「入学式終わってすぐくらいに。」
優「・・・そうなんだ。」
てか話それすぎだろ。もともと何の話だっけか・・・あ、そうそう。
雄「それで、俺はしょうがないってなんでだ?たっきー。」
瀧「え~っと、ああ。それは、雄太さんが特待生だからです。」
雄「・・・なにそれ?」
瀧・優・桜・菫「っ!!?」
・・・なんか今日この短時間で3回くらいこの反応されてね?
雄「いや、特待生っていう制度自体のはわかるんだけどさ。俺、特待生なの?」
瀧「逆に史上初の満点だった人が特待生じゃないと思いますか?」
雄「いや、パンフにそんなこと書いてなかったし、説明もされてないんだけど?」
瀧「パンフレットに書いていなかった理由は、そもそも特待生がいなかったからですね。制度自体はあったのですが、特待生になるには9割以上取らないといけないんですよ。つまりあの入試で9割以上とる人がいままでいなかったんですね。」
雄「つまり、前例がないから書かなかったってことか。」
瀧「はい。そういうことです。」
まあ、この学校の歴史って100年以上あるらしいし、何十年もなかったらパンフに書かなくなってもおかしくないか。
・・・おかしくないか?まあいいか。
瀧「そして、雄太さんが聞いていないのは単に親御さんが言ってないだけかと。」
雄「・・・は?」
瀧「親御さんには説明しているはずですよ。お金に関することですし。」
雄「・・・おいおい、マジかよ。」
・・・そんなん俺聞いてないんだけど。
瀧「それに、雄太さんには今日説明があるはずですし。」
雄「そうなのか?・・・わかった。」
・・・寛大な心で許すとしよう。
瀧「それはそれとして雄太さん・・・」
いきなりたっきーが何故かすごく真面目な顔をして話しを切り出してきた。
なんならさっきより真面目な顔で。
だがしかしたかし、俺は
こういう時に限って・・・内容がしょうもないことを・・・!
雄「・・・どうした?」
瀧「・・・スプラトゥーン3って面白いですね。」
ガタガタガタッ
ほら言わんこっちゃない。
桜「え、ええぇぇぇぇぇ・・・」
菫「う、嘘だろう・・・?」
優「瀧雅君も」
瀧「たっきーでいいですよ」
優「たっきー君も、そんなボケするんだね・・・」
桜・菫「順応はやっ」
瀧「やっぱりボケは似合わないですかね?」
優「似合わないってことはないんだけど、イメージが違いすぎるというか。」
雄「まあいいじゃねえか。ギャップだろ。」
優「まあそうなんだけどね。」
この世には『ギャップ萌え』なるものが存在するしな。
イメージと違うことをしても別にいいだろ。
優「というか、たっきー君スプラやってるの?」
瀧「はい。といっても昨日からですけど。」
桜「昨日から?」
瀧「はい。昨日、雄太さんに新しい娯楽はないかと聞いたら、おすすめされて。」
菫「なるほどね。それでやってみたらハマったってわけか。」
優「まあ神ゲーだからね、スプラ3は。」
瀧「九条君も」
優「優斗でいいよ。」
瀧「・・・優斗さんもスプラトゥーン3をプレイしてるのですか?」
優「うん。というかこの四人全員やっているよ。よくフレンドもするね。」
瀧「そうなんですか!?・・・因みに、皆さんの持ち武器は・・・?」
持ち武器か。ガチな方なら・・・
雄「ジムワイパーだな。」
桜「スプラマニューバーだよ!」
優「クーゲルシュライバーだね。」
菫「スクリュースロッシャーかな?」
ガチな方なら編成もいい感じなんだよな。
レギュラーな方ならちょっと違うけど。
瀧「ヌリとリッタ〇対抗が少し弱くありませんか?」
ほんとにアンタ始めたてか?
優「ああ、うん。だからこれはガチな方。レギュラーな方は少し違うよ。」
瀧「そうなんですか?」
雄「そうだな。具体的に優斗がリッター4Kになって、菫がヴァリアブルローラーにチェンジする。」
瀧「なるほど・・・そういうことでしたか。」
・・・いや、ほんとにアンタ始めたてか?
優「とはいっても、あんまり四人でできないけどね。」
桜「そうだね。私たちが抜けることが多いから、よく二人でしてるよね。」
そうなんだよなあ。基本2、3人なんだよな。うん?待てよ・・・
雄「なんなら、一緒にフレンドするか?」
瀧「いいんですか!?是非!」
雄「おっけ。今日の放課後コード渡すからそれ入力してくれ。」
瀧「はい!わかりました!」
菫「・・・方法、わかるのかい?」
瀧「はい!心得ております!」
だって俺が昨日教えたからな。
「…ねえ、あそこの一角すごくない?」
「…顔面偏差値ヤバすぎ」
「…美男美女の歓談・・・尊い」
「…というかあの金髪碧眼の人・・・神宮寺さんじゃない?」
「…神宮寺様をあだ名呼び・・・あの男子何者?」
周りがうるさくなってきたな・・・
気づくと周りのクラスメイト(推定)がこっちを見てコソコソ話している。
コソコソ話しているのは主に女子で、男子はチラチラ見ているかガン無視しているかの二択である。
女子の反応も様々だ。好意的なものもあれば、訝しむものもあるし、何やらハァハァしてる人もいる。個人的にはハァハァしてるのが一番怖い。
雄「めちゃくちゃ目立ってんな。」
桜「女優二人に国宝級イケメン三人だもん。そりゃあ目立つよ」
雄「国宝級イケメンは三人って、俺は国宝級イケメンじゃないだろ。」
瀧「・・・・・・え?」
桜・優・菫「ハァ・・・・・・」
おいおいなんだよその反応は。まるで俺がおかしいみたいじゃねえか。
仮に一万歩譲って俺がイケメンだとしても絶対に国宝級ではないだろう。
俺なんかが国宝級イケメンなら、たっきーと優斗は世界遺産級イケメンだろ。
瀧「あ、あの皆さん。これって・・・・・・?」
優「ああ、雄太はね・・・無自覚なんだよ。」
瀧「ええぇぇぇ・・・・・・これで?」
おいたっきー、なんだその反応は。
瀧(桜さんも・・・大変ですね。)
桜(うん・・・そうなんだよ。いろんな意味でね。)
と、たっきーと桜ちゃんが意味深な視線を交わしたそのとき、
渚「は~い!みんな席座って~~!揃ってる~~?」
樹「ちょ、渚さん!いつものテンションで行かないでください!」
やたらとテンションの高い女性の教師(おそらく担任)が入ってきた。
うっすら焼けた肌に、茶色っぽい髪で、ポニーテール、上下運動用ジャージ。
THE 陸上やってます!な女の人だ。恐らく20後半。
・・・いや、それって体育祭が終わった後ぐらいにするノリじゃねえか。
なんで登校初日にそのノリなんだよ。ビビるわ。
渚「はい!ということで、1-Aの担任の滝沢渚です。一年間よろしく!」
・・・『ということで』ってどういうことだよ。
瀧「・・・元気があるのはいいことですからね。」
ほら!たっきーが苦笑しながら言い訳(?)してるじゃねえか!
てかちゃっかりみんな座ってるんだよな。俺含め。
どうやら優等生クラスだな?そうだな?・・・そうなのかな?まあいいか。
樹「1-Aの皆さん、驚かせてしまいすみません。1-A副担任の桐林樹です。一年よろしくお願いします。」
そう言うのは白めの肌に黒髪のショートで細淵メガネにスーツ、と一見運動しないように見えるがもみあげが刈り上げられているところや眼鏡に度が入っていないこと、そして筋肉の付き方から、恐らく器械体操系とかパルクールをしてるな。
しかも、かなりの腕前だろう。
発言からして性格は真面目で几帳面。そして、滝沢先生に振り回されがちだが、退屈しないから悪くないと思っている、といったところか。
キーンコーンカーンコーン・・・
渚「さて、じゃあ早速自己紹介しようか。」
樹「いきなり過ぎません?」
・・・いきなり過ぎるな。
渚「そんなのいつでもいきなりでしょ。」
樹「それはそうですけど、まず僕たちからしませんか?見本として。」
渚「・・・じゃあそうしようか。」
樹先生ナイスフォローすぎる。
渚「はい、ではまず私から。1-Aの担任の滝沢渚です!担当科目は歴史です!陸上部の顧問をしています!好きな食べ物は甘いもの!好きなことはスイーツを食べることと恋バナとアニメ鑑賞!あとジョギングなんかも好きです!聞いちゃいけないことは体重!年齢は26歳です!好きなように呼んでね!一年間よろしく!」
・・・怒涛の自己紹介だったな。
樹「次は自分が。1-Aの副担任の桐林樹です。担当科目は数学で、器械体操部の顧問です。好きなものは唐揚げで特に屋台で売っている大きいのが好きです。得意なことは体操と数学と料理とジャグリングです。好きなことは料理とRPGです。一年よろしくお願いします。」
・・・普通なように見えてこの人もたいがいキャラ濃いな。
しかし、得意なことが料理か・・・俺も自炊してるから料理は結構するし、いろいろアドバイスが欲しいな。
渚「さて、じゃあ次はみんなの番なんだけど・・・いきなり前で喋るのもねえ。よしこれで行こう。みんな!使ってない机も入れて6個くっつけたやつを7つ作って!」
なるほど、そういうことか。なら・・・縦向きが前4つと後ろ1つで5つ
と残った後ろ2つがよき向きでいいか。よし!
雄「みんな!注目!」
みんなが一斉にこっちを向く。
雄「前の3列は前後に長い形で4つ作ってくれ!そんで、後ろの廊下側もあまりの机使って前後に長い形で!そんで残った後ろの窓側は左右に長い形で2つ作ろう!」
みんなは一斉に作業に取り掛かる。どうやら指示を正確に汲み取ってくれたようだ。
よかったよかった。
瀧「・・・・・・」
渚「いいねえ、君!え~っと、堺雄太君?ナイス判断だよ!」
樹「指示もとても分かりやすかったよ。」
いえいえそれほどでも。
渚「じゃあ、好きな3人組になって~~!」
ん?3人組?なんでだ?・・・まあいいか。
しっかし、3人組かぁ・・・
と思いながら優斗を見ると、同じくこっちを見ている優斗と目があった。
そして、そのままたっきーの方に目を向けると、同じくこっちを見ているたっきーと目があった。
雄「…やるか。3人組」
優「…そうだね。」
瀧「…そうしましょうか。」
菫「じゃあ私たちもなろうか。」
桜「そうしよう!・・・あれ?」
どうやら桜ちゃんも気づいたようだ。
桜「先生~!二人足りませんよ!」
そうなんだよな。このクラスは40人クラスだからどうしても二人足りないか、一人余るはずだ。
しかし、先生達はおそらく何か考えがある。
渚「わかってるよ~!だから、余った席に私と桐林先生が混じります!は~いじゃあどっか混ぜて~~」
樹「僕もいれてください。」
なるほど、そういうわけか。
桜「渚先生~!ここに入ってください!」
渚「いいねぇ!じゃ、お願いしま~す。」
渚先生は桜ちゃん達のグループに入った。
樹先生も男子のグループに入ったようだ。
そして、全員が3人組になったのを確認すると、
渚「じゃあ、3人の出席番号を足して、奇数のチームは近くの席に座る。偶数のチームは好きなところに移動する。よ~し、GO!!」
樹「なぎさ先生は41番、僕は42番として計算してください。」
俺達は12+13+14=39で奇数だから、座る組だな。
優「ここでいいんじゃない?」
瀧「そうですね。」
優斗の提案で、後方窓側の席に座る。
さて、後は来るのを待つだけだ。
・・・誰も来なかったら辛いなぁ。まあ、直ぐに来るでしょ。
と、フラグを立てたわけだが、そのフラグは鮮やかに折られる事になった。
冴「ここ良い?」
秒で来た。
しかも他にもいくつか狙っていたグループがあったようで、こっちを見ながらガッカリしているグループも複数見受けられた。
なんで・・・と思ったけど、このグループにはたっきーがいる。
なるほど、そりゃ人気だわな。
優「もちろん。どうぞ。」
冴「ありがとう。」
渚「全員座ったね。じゃあ、出席番号が小さい人から順番に自己紹介してね~」
この中だと誰が一番小さいんだ?
少なくとも俺ではない。だって優斗の方が小さいから。
蓮「絶対に俺が一番小さいので、俺から。」
ん?なんで・・・あ、そういうことか。
瀧「何故ですか?」
蓮「俺、出席番号が1番なので。」
瀧「あっ・・・なるほど。すみません、失礼しました。」
蓮「あっいや、そんな謝られる事ではないので。」
たっきーは真面目だからなあ。
ただ、自己紹介の前に・・・
雄「取り敢えず、自己紹介の順番を確認しないか?」
冴「そうだね。そうしようか。」
誰から行こうかな。
蓮「じゃあ俺から・・・1番です。」
冴「3番。」
栞「あ、ええっと、36番です・・・」
優「12番です。」
雄「13番だ。」
瀧「14番です。」
おっけ、順番はわかった。
蓮「では、俺から。青山蓮です。バスケをしています。好きな事はバスケとゲームです。好きな食べ物は炒飯で、今興味があるのは料理です。よろしくお願いします。」
おお~~料理男子か。これは珍しい共通点が出たな。
冴「次はわたし。五十鈴冴。陸上で主に短距離走をしている。好きな食べ物はパンケーキ。クラブがない日はカフェ巡りしている。隣の栞とは幼馴染み。よろしく。」
なかなかギャップのある人だな。
そういえば、桜ちゃんたちも甘いものは好きだし、女子は甘いもの好きな人が多いのかも知れない。
優「では、次は僕ですね。九条優斗です。武道を習っています。好きなことは、テレビゲームとお菓子づくりかな。得意なのはフレンチトーストです。好きな食べ物は甘いものとお肉です。向こうの日向菫さんとお付き合いしています。よろしくお願いします。」
好きな食べ物は甘いものとお肉て・・・悪いわけでは全くないけどチョイスが面白いな。
次は俺か。
雄「え~と、堺雄太です。優斗君と同じく武道を習っています。スプラトゥ○ンが大好きで、ほぼ毎日プレイしています。優斗や瀧雅君、優斗の彼女の菫さん、そして僕がお付き合いしている湊川桜さんや僕の弟なんかと一緒にプレイすることもあります。得意なのは料理で、だいたいなんでも作れます。よろしくお願いします。」
瀧「・・・・・・」
ふぅ、やっぱ緊張するな・・・
それと、朝からたっきーがこっちを見る頻度が高いんだよな・・・多分だけど、俺の過去を調べたんだろうな。
瀧「えー、神宮寺瀧雅と申します。小さい頃から武道や楽器を習っているので、だいたいの事は出来ますが、最近は家事を練習しています。趣味は今まで特に無かったのですが、先日雄太さんからスプラトゥ○ンを教えてもらい、ハマりました。好きな食べ物は中華料理です。よろしくお願いします。」
なんか、たっきーらしいと言えばらしいけど、らしくないと言えばらしくないような自己紹介だったな。
無意識なんだろうけど。
栞「え、えええっと・・・」
冴「栞、落ち着いて。」
栞「う、うん。すぅ~はぁ~。本町栞です。好きなことは読書です。最近は冴ちゃんに勧められてラノベをよく読んでいます。好きな食べ物はモンブランです。よろしくお願いいたします。」
お、言いきったな。
渚「よーしじゃあ偶数のチームは別の席へ行こう!」
交代か。さて次は誰が来る──
夏「ここ良いかな!?」
早いなおい!
あと元気がいい!元気がいいのはいいことだ!(?)
優「あ、ああうん。どうぞ。」
あまりの元気に優斗もたじたじである。
渚「よーし自己紹介スタート!」
夏「まずはうちだね!小野澤夏鈴です!水泳やってます!泳ぐことと美味しいものを食べることが好きで、座右の銘は『美味しいものとかわいいものは正義』です。よろしく!」
座右の銘が正義すぎるなこれは。
陽「賀川陽翔です。好きなものは特撮ですね。特に仮面ライダーが好きです。でもアニメも普通に見ます。将来スーツアクターになるために勉強中です。好きな食べ物はソース味の濃いもの全般です。よろしくお願いします。」
お~特撮オタクか。いいよな仮面ライダー。
スーアクか・・・カッコいいけど、勉強ってどんなことするんだろうか。
楓「嘉田楓真だ。囲碁や将棋、あとDJが趣味だ。好きな食べ物は塩鯖と昆布茶と最中だな。自分でも好みが渋いと思っているが、どれも美味い。よければ最近の面白いゲームを教えてほしい。一年間よろしく頼む」
渋っ!好みがもうおじいちゃんやん・・・趣味は一個ハイカラやけど。
何故か関西弁になってしまった雄太である。
瀧「最近の面白いゲームでしたら、スプラトゥーンというものがありまして・・・」
そして始まるたっきーのスプラトゥーン布教活動。
思ったよりドハマりしたようである。
にしてもキーボード・・・ドラムじゃないんだな。
背も高いし筋肉がしっかりあるからキーボードのイメージがないな
俺たちもさっきと同じ自己紹介をして、自己紹介タイムは終了した。
そんで、さっきからたっきーがよくこっちを見てるんだよなぁ。そろそろ聞いてみるか。
雄「なあたっきー。」
瀧「はい。どうしました?」
雄「俺の過去について調べたな?」
瀧「!?」
どうやら図星のようだな。
優「え?・・・それは、どういう・・・」
優斗は気づかなかったのか。
瀧「・・・はい。申し訳ありませんが調べさせて頂きました・・・すみませんが、何故わかったのか教えて頂いても構いませんか?」
雄「俺の方をチラチラ見ていたからな。」
瀧「・・・それだけですか?」
優「確かに、雄太を見る頻度は高かったけど・・・」
ああ。確かにこれだけだったら俺も確信はしていない。だが・・・
雄「昨日の今日でこれだったら、な。」
優「あぁ、なるほどね。」
瀧「?それは、どういう・・・」
優「雄太が満点を取ったと知って、気になったから調べた。そしたら思ったよりハードな過去で、どうしても心配になって思わず観察してしまった・・・ってところかな?」
瀧「・・・一言一句その通りです。もしかして、優斗さんも・・・」
『俺と同じ』という可能性が浮かんだ訳か。当たらずとも遠からず、だな。
優「いや、ぼくは雄太ほど壮絶な過去は持ってないよ。」
雄「だが、俺と同じレベルの頭脳は持っているぞ。試験で満点を取れるレベルのな。」
優「ちょ」
瀧「ホントですか!?」
優「え、いや、あ~~・・・うん。持っています。」
お、認めた認めた。
優(ちょっと雄太!なんでバラすのさ!)
雄(悪い。たっきーの反応が見たいんだ。)
優(え?・・・わかったよ。)
雄(マジでごめん。)
瀧「そうなのですか・・・教えていただきありがとうございます。」
雄「?お礼は要らないだろ?」
瀧「いえ。教えていただいたということは、それだけ信用していただいていると言うことですので、信用いていただいてありがとうと言う意味のお礼です。」
優「そういうことだよ。」
うーん、よくわからん。
ただ、『たっきーなら大丈夫』ということはわかった。
よし、最後にこれだけ聞いておくか。
雄「なあたっきー。俺の過去を知ってどうするつもりだった?」
瀧「何もするつもりはないですよ?興味があっただけなので。」
雄「そうか。わかった。」
瀧「ただ、ひとつだけお願いがあります。」
雄「なんだ?」
瀧「僕を信用出きるようになったら、改めて過去について教えてください。」
雄「・・・わかった。」
ふう、たっきーはこれで大丈夫だな。
・・・ん?誰だ?あれ・・・
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