others story2 アスリートと幼馴染 side冴
ふう、自己紹介終わった・・・
私は五十鈴冴。走るのが好きな普通の
特に好きなのは短距離走。あの風を切って走る感じがたまらない。
逆に嫌いなのはハードル走。あいつ私の走りをジャマしてくる・・・
突然だが、私には自慢の幼馴染がいる。名前は本町栞。長い黒髪を一つくくりにして、細縁メガネをかけた、THE 文学少女な見た目の大和撫子系美少女。
マジでかわいい。そこら辺のアイドルよりよっぽどかわいい。
・・・どちらかというと美人か。
しかも優しい。とんでもなく優しい。聖母なんて比じゃないくらい優しい。
私は栞が怒っているところを見たことがない。
・・・私が見てないだけかもしれないけど。
中学の時は、私と並んで二大美少女とか言われてた。
・・・なんで私も?
栞はその見た目に違わず本が大好きだ。
小学生の時にハリ〇ポッターの小説を全巻7周したらしく、国語の教科書に出てくる小説も全部知っていた。
・・・そういえば私ハリ〇ポッターって映画しか知らないな。
それに、栞はたくさん本を読んでいるからかメチャメチャ物知りで、ハリ〇ポッターシリーズの作られた経緯とかいろんなことを教えてもらった。
因みにハリ〇ポッターシリーズは、シングルマザーの母親が働いている間、子どもに退屈させないように母親が書いた物語らしい。
・・・その母親はもう働かなくても大丈夫そうだね。
あと栞は文章力も半端ない。夏休みの読書感想文も、栞に言わせれば『宿題の中で一番簡単』らしい。実際、賞もたくさん取ってた。
私?私は・・・言わなくてもわかると思うけど、大の苦手。
だから、小中9年連続で夏休みはお世話になっていた。
・・・この学校にも読書感想文あったら12年連続お世話になるなぁ、絶対。
しかも国語以外の教科も何でもできる秀才。テスト前はよく教えてもらってた。
・・・高校でもお世話になりそう。
ただ、運動は私の方ができたから運動会とか体育の実技テストの時は練習に付き合っていた。勉強を教えてもらっているお返しみたいな感じ。
・・・あれでお返しになってたのかな?
そして、当然モテた。当時学校中の男子が狙っていたといっても過言ではない。だから、ほかの女子から妬まれる。当時、学校一のイケメンも狙っていたから余計に。嫌がらせされかけることも多々あった。
・・・?何故『されかける』なのかって?私がスクールカーストのトップだったからっていえばわかってもらえる?
つまりはそういうこと。私と友達が未然に防いでいた。私の友達も栞に勉強面で助けてもらってる子たちだから、快く手伝ってくれた。
しかも、嫌がらせする女子は文句を言う勇気もない雑魚たちだったから、私たちが介入するとすぐに逃げていくからまだ楽だった。
・・・まあめんどくさいことの変わりはなかったけど。
私たちは栞に気づかれないようにやっているつもりだったけど、たぶんバレてた。
だって私たちが動いた後にいつも『大丈夫?』って聞いてきてたし。
・・・そもそも私が栞に隠し事できたことないし。
そんなこともあって、栞は男子が苦手だった。陽キャはもちろん、オタクやぼっちまで例外なく、だ。
昨日の朝までは
昨日、栞は初めて『恋』をしたらしい。
相手の名前は青山蓮。同じクラスで出席番号1番の子。バスケ部の好青年。
昨日、入学式の前に助けてもらったらしい。
そのときの対応がかっこよくて、好きになったらしい。
・・・栞、チョロくない?
詳しく聞かせてもらうと、
『昨日、入学式の前、冴ちゃんが冴ちゃんのお母さんと話しているときに2年の先輩たちに絡まれてね・・・RINEを勝手に交換されそうになって、すごく怖かったんだけど・・・そのとき、青山君が助けてくれて・・・その怖い先輩たちに突っかかって、そのまま先生も呼んでくれて、しかも『大丈夫?怖かったよね。』って私の心配までしてくれて・・・そしたら、入学式の時も目で追いかけちゃってて・・・その、青山君のことが好きになってました・・・あうぅぅぅぅう///////』
というのを、昨日の帰り道に教えてもらった。
・・・うちの幼馴染マジでかわいすぎないか?
こんなかわいい幼馴染と過ごしてると、『自分が男だったら・・・』ってたまに思うことあるよね?あるよね?あると言え。
そして、今日の自己紹介。その青山君は出席番号1番で、運よく私は3番。
だから、この機会に青山君の人物像を見極めようと思った。
ついでに青山君がいい人だったら、さっさと栞とくっつけようとも思った。
・・・だって、栞には早く幸せになってほしいからね。
とまあそんな思惑があって自己紹介に臨んだわけなんだけど、あの三人すごかったなあ・・・えっと、堺雄太君と、九条優斗君と、神宮寺瀧雅君、だっけ。
キラキラオーラが半端ない・・・これがスター、か。
あ、言い忘れてたけど、青山君は誘えたよ。
私から声掛けたらすぐ乗ってくれたし、もう一人も女子って言ったら『俺が入っても大丈夫?』って聞いてきたから、気遣いはそこそこできるし。
あと、栞と会った時には『あの時はいきなりごめんね。まだ怖い?何か反撃とかしてきたら教えてね。』とめちゃくちゃ心配していた。
だがしかしたかし(おでこの人)、私にはわかる・・・
青山君は・・・栞に気がある・・・と!!・・・
いや、これはどんな鈍感でも気づくでしょ。流石に。・・・流石に。
・・・あれ、もしかして私、今フラグ立てた・・・?
冴「よかったね、栞。」
栞「何がです?」
冴「青山君、栞のこと好きだよ。たぶん。」
栞「え?そんなわけないでしょう?」
冴「・・・え?」
栞「?(コテン)」
うっそ、マジで!?気づいてないの!?
うっわ~~~~~~~~~~~~。やっぱり私フラグ立ててた・・・
これが『恋は盲目』ってやつか・・・
・・・ん?違うか。
まあでも、しょうがない。
地道にくっつけていきますか・・・時間かかりそうだなぁ・・・
まあでも、やっぱり私の幼馴染はかわいい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ネコのランタンです。
前のothers storyは長くなりすぎましたが、次からもこれくらいの文字数で行こうと思います。
よろしくお願いいたしますです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます