Prologue Ⅲ 湊川 桜、日向 菫という女優 Side桜・菫

Side菫


 雄「その条件とは・・・・・・二人で即興演技をしてもらう!!」


優・桜・菫「な、なんだって~~!?」


みんなノリいいな。まあ、私が言えたことではないけど。


う~ん、しかし演技か・・・お題がないとな難しいな。

役者だからってなんのお題もなしですぐ演技できるわけではないんだよ。

長くて数分だろうし、台本は無くてもどうにかなるけど。


桜「お題は何にするの?」

雄「う~ん。二人なら王子様とお姫様みたいなのが定番なんだろうけど・・・」


やっぱり、そうなるか・・・

どうせなら、やったことない役をやってみたいんだけどな・・・

まあ、仕方ない。

ん?優斗?何こっちみて・・・


優「でも、それだと面白くないね。二人がやったことない役をしてほしいなあ。」


菫「・・・・・・」


はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!??優斗好きッッッッッッッ!!!!!!!!!!!


私の言いたいことを1秒で読み取ってすぐ発言してくれるとか天才か!!!??

あ、天才か。


というか神対応がすぎる!!!

これ以上私を惚れさせてどうするんだ!!?

まさかキュン死させるつもりか!!!?

そうなのか!!??

そうなんだな!!!?


ううぅぅぅぅ、心臓が!心臓が苦しい・・・ッ!!

はぁ、はぁ、ふうぅぅぅぅぅぅ。


よし!いつも通りだ。

優斗が見透かしたような目で見ている気がするが無視だ。


菫「それで、お題は何にするんだい?」

雄「う~ん。単純に反対にするのも面白くないなあ。」

優「そうだなぁ。スターに宣戦布告みたいな感じはどう?」

桜「スターに宣戦布告?菫ちゃんがスター?」

優「ううん。桜さんがスターで、菫が宣戦布告する。」

桜「おお!新しい!」


優斗が神過ぎて死にそうなんだが。

あーー、明日交通事故で死んでも文句いえないなぁ。


雄「俺は、恋バナみたいな日常系もいいと思うな。」


そんなにいいか?


優「あ~~、いいね。」


確かにいいかもな!


優「でも、二つしてもらうのは・・・」

菫「いいよ、二つしても。」

優「ほんとに!?ありがとう!」


うん。この言葉を聞けただけで私の人生は報われた。


菫「桜もいいよな?」

桜「うん!もちろん!」


わかるよ。彼氏に言われたらやるしかないよね。


桜「でもさ、どういう方法でやろっか。雄くんたちの方法は難しいと思うし。」

菫「あぁ、確かに。うーん、なにがあるかな?」


難しいな・・・


優「そうだ!インタビュー形式はどう?」


ん?どうするんだ?


雄「なるほど。つまり、俺たちが桜ちゃんたちに質問して、それを二人が答える、ということか。いいなそれ。」

優「そうそうそういうこと。」


雄太ああああアアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

何故ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!

何故、貴様には優斗の言いたいことがわかるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

その頭脳を1%でいいから分けやがれくださいお願いしますぅぅぅぅぅ!!!


桜「ズルい・・・」


と、桜が呟く。


桜・・・ああ、わかるよ!!私も同じ気持ちさ!!!

なんでお互いに言いたいことが読めるんだ!!ズルいぞ!!!


優「あらら。」

雄「おっと。」


ん?優斗がこっちに来て・・・へっ!!?


優「嫉妬しちゃった?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!??????


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Side桜


え、ちょ、雄くん?耳元で・・・っ!!?


雄「嫉妬した?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~////////////!!!!!!!!!!!!


無理ぃ!!雄くんの至近距離からの耳元囁きイケメンボイスとか無理ぃぃぃぃ!!!

ヤバい!!死ぬ!!!キュン死する!!!!


ぎゅっ・・・


はへぇ?


雄「フフっ、桜ちゃん。かわいい・・・」


雄くんに・・・ぎゅーされてる・・・しあわせぇ・・・


雄「頑張って。桜ちゃん。」


はいぃ。頑張りますぅぅ。ふへへぇ。



【ここから質問です。】



雄:え~っと、まず、二人の名前と芸名を教えてください。


桜:湊川桜です。咲良アリサとして活動しています。

菫:日向菫です。芸名は純粋の純との王に命令の令をくっつけた玲で純玲すみれ    

  です。


優:じゃあ、次は・・・二人が芸能界を志した理由は何ですか?


菫:私は、元男役スターの母に憧れたからです。


優:ほう。どういうところに?:


菫:時代錯誤な感想かもしれませんが、女性なのに男性より格好いいところ、たくさんの人を虜にしていたところです。


雄:そんなに格好良かったんですね。湊川さん、あなたは?


桜:小学生の時に見ていた恋愛ドラマの女優さんに憧れたからです。


雄:どんなシーンに憧れましたか?


桜:手をつないで仲良くしているシーンと、キスシーンです。


優:なるほど。ありがとうございます。では、次はプライベートな質問をします。

え~、最近の趣味は?


桜:カフェめぐりと、ゲームです。

菫:本屋めぐりとゲームです。


雄:二人ともゲームが趣味ということですが、なんのゲームをするんですか?


桜・菫:スプラトゥ〇ン3です。


優:息ぴったりですね。二人はプライベートでも仲がいいのですか?


桜:はい。学校で一緒にお昼ご飯を食べています。


雄:なるほど。では最後に、二人はそれぞれ彼氏さんがいらっしゃる・・・プフっ・・・とのことですが、その彼氏さんのズバリ好きなところは?


桜・菫:へ!?


優:ちょっと雄太面接官、それは流石にまずいですよ。


雄:そうですね。え~、では・・・


桜・菫:構いません!


雄・優:・・・はい?


桜:最後の質問にお答えいたします!

菫:いえ、答えさせてください!


雄:で、では・・・お願いします。


桜:はい!わたしの彼氏は頭がよくて、運動神経も抜群で、イケメンで、スタイルもよくて、優しくてかっこよくて、家事もなんでもできます。

2年前からずっとわたしを支えてくれています。

30分以上の長い愚痴も文句ひとつ言わずに聞いてくれて、アドバイスが欲しいときに欲しいアドバイスをくれる。

会うたびに、今では毎日、優しくハグしてくれる。

ストレスが溜まって八つ当たりしても笑顔で受け止めてくれて、泣いたらすぐに慰めてくれる。

危ないときは身を挺して守ってくれる。

わたしの理不尽にも苦笑いで実現しようとしてくれる。

些細な変化にも気づいて、褒めてくれたり、心配してくれたり、何も言わずにそっと寄り添ってくれる。

弱いわたしを受け入れてくれて、わたしを肯定してくれる。

いつでも甘やかしてくれる。

言葉でも行動でも「好き」と伝えてくれる。

そんな彼氏雄くんが大好きです。ぜんぶ大好きです。


雄:・・・っ!//////////


優:ベタ惚れだね。雄太。照れてるの?


雄:うっせ。見りゃわかんだろ。

つ、次は菫さん。どうぞ。


菫:はい。私の彼氏は私の王子様です。

類まれなる容姿と頭脳を持っており、武道をやっていて、運動神経も高く、さらに家事も完璧にこなす。

さらに優しくて、自分でも気づかない表情や仕草の変化に気づき、私の心情を察してくれて、気遣ってくれる。

不器用で感情や意見をあまり表に出さない私にずっと寄り添ってくれる。

そして、私の彼氏は私よりずっと王子様です。

私の彼氏とは幼稚園の頃から一緒にいて、その時から金色に近い亜麻色の髪と瞳で大人びた顔と仕草が物語の王子様に見えていて、ずっと気になっていた。

そんな彼氏への好意が決定的に恋愛感情になったのは小学生の時の、いじめっ子から守ってくれた時に、「たいせつな人は僕が守る。」と言ってくれた時。

私の彼氏は、私をいじめっ子たちから救ってくれたあの瞬間からずっと、私の王子様です。

そんな彼氏の全部が大好きです。


優:~~~~っ!!/////////////


雄:だってさ。愛されてるな、優斗。真っ赤じゃねえか。


優:うるさいな・・・。や、やめ!もう質問やめ!


雄:もともと最後の質問だったが?


優:う・・・。


【質問終わり!】


雄「墓穴掘ったか?」

優「ああそうかもね。」


優斗君不機嫌だなぁ。

雄くんもあんまりいじらないようにね。


雄「拗ねんなよ。」

優「別に拗ねてないよ。」


ありゃりゃ。あれは滅多にないレベルで不機嫌だなあ。

うん?雄くんがこっち見てる?どうしたのかな?菫ちゃん?・・・あ!なるほど!


桜「菫ちゃん!優斗君の機嫌直すことってできる?」

菫「私が?・・・わかった。やってみる。」

桜「お願いします!」


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菫Side


菫「・・・わかった。やってみる。」


とは言ったものの、どうするかな・・・

目の前には子供みたいに拗ねた優斗がいる。


ヤバ。かわいい。優斗ってこんな顔もするんだ・・・・

どうしよ、今とんでもなく甘やかしたい。

頭ナデナデしてぎゅってしたい。

それで素直に甘えてくれて・・・ぐへへ。


・・・はっ!!しまった。妄想が捗ってしまった。


え~っと、どうするか・・・


・・・というか、もしかして優斗がこんなことになってるのって私があんなこと言ったせいなのか?

もしかしなくてもそうだよな?


てことは・・・優斗に嫌われる!?


嫌だ!優斗がいないと私は・・・!!


どうする?私が原因だから・・・私が謝るしかない!


菫「優斗、ごめん!私があんなこと言ったから・・・」

優「え?い、いや、菫のせいじゃ」

菫「だって、私があんなこと言ったせいで優斗が照れてしまって、雄太君にお返しと言わんばかりにいじられしまったのだろう?」

優「うぐぅ!?」

菫「なら、雄太君にお返しとばかりにいじられる原因を作った私が悪い。」

優「ぐふう!!」

菫「だから、ごめん!私が悪い。雄太君にお返しと言わんばかりにいじられ」

雄「あー、菫さん?そのくらいにしたほうが・・・」

菫「なぜだ!?」


もしかしてもう見込みがないから諦めろということか!?

嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!


雄「菫さん、落ち着いて。」


落ち着けるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!


雄「無自覚だと思うけど、菫さんの言葉が優斗に刺さってるから。」

菫「刺さってる?何がだ?」

桜「主に『雄太君にお返しと言わんばかりに』のところが、優斗君の心に。」


と桜が小声で教えてくれる。

ん?どういうことだ?だって・・・


菫「事実だろう?」

優「ぐはぁぁ!!!」

菫「優斗!?」


と、約一名の重傷者を出して、撮影会はお開きになるのだった・・・・



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次から本編です!


ちょっと遡って、入学式からです。


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