前世で破滅させてしまった最愛のキャラ。今度こそ君を幸せに!

主人公が転生したレイシェルはとあるマンガの登場人物で、オッドアイに、邪眼卿というあだ名を持つという、くっそ恥ずい厨二病設定を持ってました。
誰だ、こんな設定考えたのは! なんて言ったら、それはレイシェル自身。
実はレイシェルの前世はマンガの原作者で、この世界は、彼が原作を担当したマンガの中の世界でした。

しかし彼の前世である原作者ライフは、決して幸せなものではありませんでした。

というのも、作画担当とは仲が悪く、というか向こうが勝手にこちらを嫌っていたのです。
そしてあろうことか、マンガに出てくる悪役令嬢を、彼のデビュー作のヒロインと外見そっくりにしてしまったのです。そうしたら、彼が嫌がると知っていたから。

そんな悪役令嬢、名前はアリエステと言いますが、当然、マンガの中であるこの世界にいます。そして、どんな運命のイタズラか、レイシェルと出会ってしまうのです。
自ら手塩にかけて作って大事にしていたヒロイン。望まぬ形で悪役令嬢にさせてしまった推しキャラと、直に出会ったのです。

これはもう、なんとしても幸せにするしかありませんね。
実はアリエステ、なんとこの世界ではマンガのストーリーとはちょっと違う運命を歩んでいて、王太子とは相思相愛の仲だというじゃないですか。そうなると、その恋路を何としても応援しなければ。
……しかし、ちょっと待ってください。その思考はまあ理解できるのですが、読者としては王太子と結婚して幸せになるより、君が幸せにするのはダメなのかなって思っちゃうのですよ。

しかも、思わぬところで前世からの因縁が襲ってくるのです。しかも、ものすごい形で。

推しキャラを幸せは誰もが願うことですが、原作者でありながらそれができなかったレイシェル。
生まれ変わって直接彼女と会った今なら、前世の後悔を乗り越えることができるのでしょうか。

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