人の姿をした暦たちと共に四季を巡る、ちょっと風変わりな現代ファンタジー

二十四節気七十二候プラスアルファ、日本の暦が人の姿を取った四季の宮。
新しい『雀始巣』に選ばれた少年と、その面倒を見ることになった『玄鳥至』を主人公に、四季を巡りながら、彼らに起きている小さな異変を紐解き、物語の奥深くへと分け入って行きます。
キャラクターは擬人化された暦たち、四季二十四節気七十二候、さらには雑節と干支までいます。凄まじい数です。
それでも不思議と識別できるのは、暦の持つ個性、言葉とイメージの力ゆえでしょうか。
背景にあるのは、変わりゆく四季と自然、そして人の心。気候変動を考えるとなんとも悩ましいところですが、これら暦たちがこれからも変わらず在ってくれることを願わずにはいられない、そんな、少し切なくて、後味爽やかなお話でした。

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