短いけど怖い話

幽霊の携帯電話

　ある女性が、亡くなった祖母の携帯電話を手に入れました。祖母は数年前に他界しており、その携帯電話は家族の思い出が詰まったものでした。ある晩、女性は祖母の携帯電話を充電し、思い出に浸りながら眠りにつきました。

深夜、女性は突然の着信音に驚き目を覚ました。画面を見ると、発信者は「祖母」と表示されていました。興奮と恐怖に包まれながらも、彼女は電話に出てみました。電話口からは何も聞こえず、ただ無音が続きました。女性が「祖母、あなただよね？」と呼ぶと、その瞬間、遠くで祖母の声が微かに聞こえたと言います。

女性は驚きと感動に包まれましたが、同時に不安も感じました。何度か同じような体験が続き、祖母の声が聞こえるたびに、女性は祖母が何か伝えようとしているのではないかと考えました。しかし、具体的なメッセージは伝わらず、その体験は数週間続きました。

ある日、祖母の声が突然止まり、それ以後、携帯電話からの着信もなくなりました。女性は祖母の言葉を受け入れ、彼女の意思が何かを伝えようとしていたのだろうと感じましたが、一方でその不可解な出来事は今もなお彼女を不安にさせています。