処刑場
「ねえ、知ってる?ここって昔は処刑場があった場所らしいよ」
「えっ、そうなの!?」
「なんでも、ここで首を切られたりとか、火炙りにされたりして殺された人がいるんだって」
「へぇ~、そうなんだ」「それでね、今でも時々首吊り自殺をする人がいて、その幽霊が出るんだってさ」
「嘘!マジで?」
「本当だよ。実際に見た人もいるみたいだし、何人も目撃情報があるんだから間違いないよ。それにさ、なんか聞いた話だとこの辺りで殺人事件が起きたこともあるみたいなんだよ。ほら、ちょうどこの場所でね」
「……」
「どうしたの?急に黙っちゃって」
「……いや、ちょっと寒気がしただけ。それより早く行こうよ。次の講義に遅れちゃうよ」
そんなことを言ってると突然背後から肩を叩かれた。
振り返るとそこには知らない男が立っていた。
男はニコニコしながらこちらの顔を見てこう言った。
「お前もこっち側に来ないか?」
「ねぇ、知ってる?ここって昔は処刑場だったらしいよ」
「えっ、そうなの?」
「なんでも、ここで首を切られたりとか、火炙りにされた人がいたんだって」
「へぇ~、そうなんだ」
「それでね、今でも時々首吊り自殺をする人がいて、その幽霊が出るんだって」
「嘘!本当に?」
「本当だよ。実際に見た人いるもん。何人か見たっていう人もいて、中にはこの目ではっきりと見た人もいるのよ」
「……そっか。ちなみにどんな人だった?」
「確か、若い男の人で全身血まみれで、自分の死体を抱えて泣いてたんだって。きっと罪悪感に押し潰されそうになったんじゃないのかなぁ。可哀想だよね。それに、自分が死んでいるのに気付いていないんじゃないかってくらい普通にしてたし、周りの人は気味が悪いから逃げていったんだけど、その人だけはずっとその場から動かなかったらしいよ。まるで誰かを待ってるみたいだったって。だから、もし見かけたら優しく声をかけてあげてほしいの。きっと喜ぶと思うから……」
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