短いけど怖い話

のろわれた鏡

　ある古びた鏡が、小さな町のアンティークショップで見つかりました。その鏡には複雑な彫刻が施され、何世代にもわたって使われてきたことがうかがえました。一見して普通の鏡に見えましたが、その鏡には暗い伝説が付随していました。

言い伝えによれば、その鏡は過去の持ち主たちに不幸をもたらし、その影響を受けた者は次第に狂気に陥ってしまったとされています。しかし、これは単なる噂ではなく、実際に鏡を所有した人々の不幸な運命が証明されたとされています。

ある日、好奇心旺盛な若い女性がその鏡を手に入れました。最初は何も異常がなかったが、数週間後、彼女は奇妙な夢や幻覚に悩まされ始めました。鏡の中に映る自分の姿も、次第に歪みを帯び、その様子はどんどん不気味になっていったと言います。

彼女は友人たちにも助けを求めましたが、どんどん引きこまれていくような感覚から逃れることができませんでした。やがて、彼女の様子はますます異常になり、最終的には消息を絶ちました。町の人々は、その鏡が彼女を狂気に追いやったと信じ、以後は誰もその鏡を手に取る者はいなくなりました。

そのアンティークショップも閉店し、鏡はどこかへ消えてしまったと伝えられています。しかし、時折、夜になるとその鏡が小さな町に戻ってくるという噂もあり、近くに住む者たちはその日を心待ちにしながらも、同時にその呪いから逃れることができないかもしれないと恐れています。