黒竜の治めるテンガン領、その極東地方にあるトルジカの村で、ユニファは薬師をしながら魔女のスークスと共に暮らしている。
そこに黒竜の末息子であるイズモが訪れる所から、物語は始まります。
疫病が蔓延するシデ村を救う為に魔女の薬が必要だと言うイズモを、ユニファは追い払おうとするのですが、彼の甘くも真っ直ぐな想いに力を貸していく事になります。
ユニコーンであるユニファちゃんの、純粋で凛々しくて献身的な姿はとても好感が持てますし、時折見せるあどけなさが本当に可愛らしいです!
そしてシデ村を救う為に彼女を頼るイズモくんも、弱い人々の心に寄り添える真っ直ぐで優しい子。
二人の掛け合いも楽しく、また、恋愛模様もとても初々しくてドキドキします!
二人の側にいる脇役達も個性豊かで楽しく可愛らしく、物語に彩りを添えています。
疫病等に悩まされる人々を救うという、普通なら暗く沈みがちになるかと思うのですが、このお話は全体的にキャラクター達が明るくコミカルな所があって、とても楽しく読めます。
是非読んで欲しい素敵なお話です!
疫病が蔓延するシデ村を救うために、トルジカ村にやってきた、テンガン領、領主の末っ子・イズモ。
そこで出会ったのは、紙袋の目出し帽を被った、自称『美少女』のユニファだった。
しかし、顔を隠しているのはイズモもまた同じ。兜を被り、身分を隠していた。
けれど、ユニファはタイトルにある通り、一角乙女。
初物イズモに惹かれますが、素直じゃないんです。
それはイズモも同じで、お供のガーゴイル、キンとギンがそれを茶化します。
ストーリー展開もさることながら、テンポが良く読み易いです。
その上、ピュア同士のじれじれや息の合ったやり取りなど、読者を虜にさせます。
何分、それだけ二人が可愛らしくて初々しいのです。
是非、読んでそれを感じてみてください。
疫病に苦しむシデ村を救うために、テンガン領極東地方・トルジカの魔女を訪ねたイズモは、紙袋の目出し帽を被った(自称)美少女と出会います。
その(自称)美少女は、トルジカの魔女スークスの一番弟子・ユニファ。
領主の息子であるイズモは、なんとかしてシデ村を救うために、薬を所望しますが、ユニファは売ってくれません。
それもそのはず。
黒竜テンガンが治めるデンガン領は、異種族間による百年戦争から身を護るために、弱小魔族が寄り集まった場所だったのです。
弱者のコミュニティは、見ず知らずの者に手を差し伸べる余力はなく、自分たちの生活だけで精一杯。
そういう意味で言うと、イズモは世間知らずのお坊ちゃんかもしれません。
しかし、領主の息子だからこそ、領民を守ることへの責任感は人一倍強く、その純真な心はユニファの心をくすぐります。
結局、条件付きでユニファは妥協するのですが、その後とある出来事をきっかけにして、ユニファはイズモと行動を共にすることになります。
すべてはシデ村を――、ひいては領民を救うために。
そんなピュアなイズモですが、ピュアなのはユニファも同じ。
現実を直視したリアリストな一面を持ちながらも、根っからの善人であり、優しく、健気なユニファ。
設定やストーリー自体は割と重めなのですが、イズモとユニファの純粋さや、コメディちっくな掛け合いのお陰で、鬱々しい展開にはならず、楽しく読むことができます。
特に、初物イズモと純粋ユニファの組み合わせは、非常に微笑ましく、口から砂糖がざーっと出そうになります。
個人的には、13話の二人のやり取りが好きです。
凄惨な過去を持つユニファだからこそ、純粋に相手を思いやれるイズモに気を許すことができる。
そう考えると、二人の出会いが良きものであったと、しみじみと思わせてくれます。
決して、生やさしい世界ではないこのテンガン領で、二人の旅路はどのような結末を迎え、二人の関係はどうなるのか?
是非、にやにやしながらお読みください。
シデ村を疫病から救うため、薬師を訪ねるは領主黒竜の子、イズモ。ただ、出会った薬師は頭から紙袋をかぶっていて、しかも『自称美少女』の一角乙女ユニファ。
冒頭から濃すぎるキャラと、緻密な世界観に惹き込まれていきます。
脇を固めるサブキャラたちも、ガーゴイルのキンギンコンビ、もふもふ担当オキサキなど、本当に濃い!
会話もテンポよく、コメディ色が強いと思いきや、シリアス、そしてホッコリと、そのストーリーの緩急、お見事としか言いようがありません!
目的のシデ村に辿り着く前に、なぜか世直し?道中になってしまうところにも(某御一行様感はんぱない)、二人の正義感や矜恃を感じられます。
そんなピュア×ピュアが手を取って進む道。
きっと困難でも、確かな輝きがあるに違いありません。
あなたも一緒に辿ってみませんか?
疫病による国の一大事に駆けつけた
領主である初物純情ボーイ・イズモの前に現れたのは、パン屋の紙袋を被った少女。
その少女こそ、この作品のヒロインであるユニコーンのユニファちゃんである。
なんとも、コメディチックな出会いから始まる二人と、そして、仲間たちの救国ファンタジー。
とにかく、この話はコメディとシリアスのバランスの緩急が上手。作者が敏腕すぎる。
また、ヒロインがユニコーンであるという設定が本当によく生かされており、そういうことなのか!とかなり驚かされることになるだろう。
特に、ユニコーンの角の使い方は、衝撃の連続であった。そう使う!?!?と絶対になるだろう。
そして、ユニファの性格も、賢いだけではなく、優しさや、健気さがすごく心に来る。
正直、もっと自分を大切にしていいのでは?と読んでて思うくらいだ。
でも、その凛とした姿が読んだ人全員好ましいと思うのだろう。
勿論、ユニファと出会う初物くんこと、イズモくんも凄くいい男子である。初物だが。寧ろ、初物だからいいのかもしれない。
このメイン二人だけではなく、登場キャラクターたち皆個性的!
びっくりするくらいに、笑い、悩み、感動する。毎話毎話感情をぶん殴られる。
読んだ人のハートを、ユニコーンの角で貫抜いてくる素晴らしいお話。
是非、読んでいただきたい作品です!
同作者様の他作品のファンで、こちらも新作も楽しませて頂きました。
他作品は現代、SF寄りの作品書かれておられ、ガッツリファンタジーとのことでまた新たな扉がと思いドキドキワクワクが止まりませんでした!
一国の坊ちゃんと薬師の女の子との出会いから始まります。
ユニファちゃん、体質上惹かれるのは仕方ないとしても、吟遊詩人や聴いた人たちにさえ紙袋姫呼ばわりされるのは面白かったです。
イズモくんも所々に見られる女の子に慣れていない童貞感がまた可愛らしかったです。
誠実で清純で…優しくて。その辺りがユニファちゃんに気に入られたんだなぁと思いました。
とにかくこの様にお互い「初物」らしくうぶうぶで、必見。
お互いの事情、過去、種族的な意味で重くその辺りのお話や世界観も含め是非堪能してほしいです。
なぜかパン屋の紙袋を目出し帽代わりにかぶった「自称」美少女『ユニファ』。
これだけでも充分に興味を引く設定ですが、彼女の恋のお相手を予感させる青年『イズモ』も、兜で顔を隠しているんです。
キャラクターにまつわる謎が面白く、つい読み進めているでしょう。
ユニファの師匠である魔女も、魔族陣営から逃げてきたというから、その理由が気になります。
また大きな戦が終わったあとという世界観も、キャラクターの行動動機に理由付けをもたらしていて、深みを感じさせます。
ユニファが紙袋をかぶっていた理由と、育ての親のような魔女の人生が明かされたとき、誰かを救うことで犠牲になる命があることを思わされます。
ここは実際に読んで衝撃を受けていただきたいのでネタバレはしませんが、新薬で多くの命が救われる背景には、犠牲になった動物たちの命があるような――現実でいえばそんなテーマです。
ユニファは魔女から学んだ薬師の知識をふんだんに持つ賢い少女ですが、現実を見据える厳しい視点と、大きな勇気を持っています。
ユニファがイズモと出会って、世界がどう動きだすのか、ぜひ読んで確かめてみてください!
薬師の一角乙女と純粋堅物で真っすぐな青年。奇妙なふたりの出会いからはじまるファンタジー。開幕からもう、ユニファのインパクトが絶大!
ただし、どこかずれているようなふたりの出会いも、きっかけひとつに距離が近づいていく過程が上手に描かれています。
それでいて、そんなメインふたりを支えるサブキャラクター達も個性的!
従者のキンギンのマイペースな会話にはユーモアを感じ、かと言って本編のペースを乱すことなくバランスが良く、ユニファの周りにいる様々な種族のキャラたちも、物語の中で動いているのが目に浮かぶようです(もふもふ赤い物好きカーバンクルのオキサキがイチオシです!)。
まだまだ物語ははじまったばかりというところで…ふたりの行く末も気になるところです。
しっかり描かれる世界観には細かなところにも奥深さがあり、これからの展開で掘り下げていってくれるのが楽しみになります。
読みやすい文章にテンポよく話が進み、キャラクターたちが引っ張ってくれるため、すっかりと物語に引き込んでくれることでしょう!
第一部完結されたこの機会に、続きも期待できる物語をぜひ、楽しんでみてはいかがでしょうか!
6話読了次点でのレビューとなります。
ネタバレにならない程度のあらすじを
主人公は、ユニファという名前のユニコーンの少女で、薬学に長けた魔女として村で暮らしています。ある日、イズモという少年が疫病が蔓延するシデ村を救うために、彼女の薬を求めてやってきます。しかし、ユニファは報酬として……
まず、主人公のユニファがとっても魅力的。自分の欲に素直な部分がありつつ、しっかりと乙女。そしてかっこいい。
彼女の本領発揮は、4話からだと個人的には思っています。
対するイズモくんは、6話の時点で出自が明らかになります。
と言うわけで、現在の最新6話までしか読了していない私には、これから何が起きるんだろう? そのワクワクをお勧めするべく、このレビューを書いております。
文章は軽快かつ読みやすく、流れるようなスピード感があります。この辺りは、作者である貴葵さん作品に共通する所です。ポップな雰囲気も相まって、読者さんの心をわしづかみにすること間違いなしでしょう。
今後の展開が楽しみで仕方がありません!
おすすめですよ!