比重

 カクテルには、各種の酒やジュースの比重を利用して色とりどりの段を重ねたように見せるものがある。

 本作の主人公は、日常と非日常の比重を無意識に破ってしまったものか。または、なにかの弾みでそうしたカクテルグラスのごとき空間に我と我が身を入れてしまったのだろうか。

 必読本作。

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