転生令嬢の辺境騎士～古代魔法しか使えないけど、古代の力で勇者になる～

「私の騎士になりなさい」
白銀の長髪を靡かせ、意志の籠った目をしている少女が失意に陥っている少年――ノアに向けた言葉である。
その少女の名前はルナ・オーレリア。辺境地域一帯を治めている辺境伯の令嬢だ。

その令嬢がなぜ騎士に誘ってくるのか意味が理解できない。
しかし、力がなければ奪われるのはこの非情な世界で生きている子供でも分かることなのは事実。

「騎士になっていいんですか？」
「いいのよ。あなたには人を守る心があるし、力や技術はこれから身に付ければいいだけ。だから――私の騎士になりなさい」

全てを奪われた悲しみはもう受けたくない。
二度と誰にも奪わせないため、差し出された手をノアは握った。
そして騎士として新たな人生を歩もうとするが、ルナ・オーレリアの秘密を知ったことで大いなる運命に巻…続きを読む