第3話 魔女の本屋
魔女の本屋に行きたいのなら、まだ西の空に月の姿が見える時に、太陽が目を覚ます前に起きなさい。
夜と朝が混ざり合う時だけに、魔女の本屋への道は開かれる。
村を出たら真っ直ぐ北へ向かうんだ。村の北のアルバの森、その何処かに魔女の本屋がある。
振り返ってはいけないよ。道が閉ざされてしまうから。
森の中へ入ったら、「魔女様の御本が読みたいです」と、大きな声で三回唱えなさい。
もしその声が魔女の耳に届いたら、あなたの目の前には赤い花妖精がいるはずだ。
花妖精のことは知っているね? 人の拳ぐらいの大きさで、頭に色とりどりの花を咲かせた魔物だよ。背中には虫のような薄い羽があって、花びらのドレスを着た若い娘の姿をしているはずさ。
怖がることは無い。花妖精は無害な魔物だ。それに、赤い花妖精は魔女の友達なんだよ。
あとはもう大丈夫だ。花妖精が魔女の本屋まで案内をしてくれる。あなたは彼女の後をついて行けば良い。
――――東の大陸、ジバ村に伝わるおとぎ話『魔女の本屋』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます