じんわりと伝わる非凡なる物語、ぜひ一読を( ;∀;)

僕はこの物語を読んだ時、その表現力の素晴らしさに、鮮やかに心を奪われました。

例えば山田洋二監督の映画作品をご存知の方には伝わりやすいかと思いますが、どこにでもいる「市井の人々」を魅力的に描く事が如何に難しいか、僕の中では一つのテーマとして存在している重要事項であります。

この物語は特別な能力や、破天荒なキャラクターが登場するわけではありません。普通にどこにでもいる「市井の人々」が、「少し特別なねこ」と関わる物語です。

その「市井な人々」である普通の登場人物達を、如何に魅力的に見せるのか。ここにおいて、作者様の誠実で深みのある筆力が惜しげもなく発揮され、読む者は思わず魅了されてしまうと思います。

物語において人間をしっかり書くと言う事は、常日頃より本の世界以外での実体験を多く積んでいなければ書けないと思います。

ましてや「市井の人々」を魅力的に表現すると言う事は、文学では取り上げられない「取るに足らない悩み」を持つ人々に対し、如何に深い愛情をもって、慈しみ優しく接するという姿勢を多く積み重ねていなければ、絶対に表現出来ない世界なのであります。

こちらの作者様は恐らくそういう方であり、この物語はその優しさが溢れんばかりにその表現に深みを与えております。

それは驚く程自然に、そして驚く程鮮やかに。

だからこそ僕はこの「優しい物語の世界」に、あっという間に引き込まれてしまったのです。

お勧めさせて下さい。

物語に魅了されるとは、こういう物語を指して言うべきではないのかと強く思います。

どうか皆様、宜しくお願い致します。

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