あかねさす 紫のたな 多重に咲く 人の縁ぞ 結いし猫かな

この作品を和歌で例えるならタイトルの通りです。

生きている喜び、悲しみ、怒り、苦悩、悩み、孤独、無力感 それは誰もが日々感じる事でしょう。それでも明日を信じて人は生きる。
そんな人々が一匹の猫「ブチ」に幸運を求めて集まってくる。ただの猫にすぎないのに人はその猫に群がってくる。
でもその猫を通じて、物語は様々な何の接点もなかった人々を結びつけていく。そんな様子が一話一話読み進めるごとに高まっていきます。
ブチは特別な能力がある訳でもなく、ただただ人懐っこい飼い猫です。だからこそ登場人物たちの心を掴み解していくのでしょうね。
読んでいて、ブチを中心に話をしていくメイン3人のキャラクターの姿を思い浮かべました。
自分は絵描きなので、時間ができればこの光景をイラストにしてみたいなって思う作品でした。

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